日本は肥料原料となる資源が乏しく、そのほとんどを海外からの輸入に依存している。しかし、トウモロコシをはじめとするバイオ燃料用原料を含めて世界的に農産物の増産意欲が旺盛なことや原油価格の高騰によって、肥料の主原料がすべてオイルショック時を上回る史上最高値となっている。
さらに原油高騰によって重油・包装資材・運賃などの諸経費も上がってきていることを理由に、肥料メーカーは高度化成で20%を超える大幅な要求を全農に対して行ってきた。
これに対して全農は、農家経営への影響を最小限に抑えるため、主原料であるりん鉱石・りん安・加里に限り、19肥料年度の4〜6月について「円高要因も反映して最大限に抑制し」別表のように値上げをすることにしたと、3月14日発表した。期中の価格改定は平成7年以来となる。
なお19肥料年度(19年7〜20年6月)の4〜6月出荷分については、年間契約数量の範囲内のものは「その肥料年度内の価格変動を回避・緩和する」ためにJA・経済連・全農で造成している「肥料協同購入積立金」を取崩して対応するため、供給価格に変更はない。
肥料価格が値上げ基調にあるなかで全農としては、原料・製造・物流面での安定化をはかるために、JAなどに計画取引について理解を得る取組みを進めていく。
また、原料高騰への対応策として▽生産資材コスト低減チャレンジプランの加速化▽施肥コスト低減運動(仮称)の展開▽肥料原料の確保対策▽物流コスト低減などに取組んでいく。