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温暖化の影響初めて取り込む

〜平成20年産水稲10a当たり平年収量は530kg(全国)
−農水省 (3/17)

農水省は3月17日、平成20年産水稲10a当たり平年収量を発表した。全国の平年収量は530kgで、前年産より1kg引き上げた。都道府県別で昨年より引き上げたのは6都道県で、東京、神奈川が+3、北海道が+2、愛知、島根、宮崎が+1。昨年より引き下げたのは4県で、鳥取が−6、福岡、佐賀が−2、山口が−1となった。 引き上げとなった6都道県では、収量水準の高い品種の作付割合が増え、低収量地帯の作付割合が減少している。引き下げとなった4県のうち山口、福岡、佐賀は、温暖化による収量減の影響があることを加味した。これらの地域では稲作主要期間の気温が25℃を超え、登熟期間...

農水省は3月17日、平成20年産水稲10a当たり平年収量を発表した。全国の平年収量は530kgで、前年産より1kg引き上げた。都道府県別で昨年より引き上げたのは6都道県で、東京、神奈川が+3、北海道が+2、愛知、島根、宮崎が+1。昨年より引き下げたのは4県で、鳥取が−6、福岡、佐賀が−2、山口が−1となった。
引き上げとなった6都道県では、収量水準の高い品種の作付割合が増え、低収量地帯の作付割合が減少している。引き下げとなった4県のうち山口、福岡、佐賀は、温暖化による収量減の影響があることを加味した。これらの地域では稲作主要期間の気温が25℃を超え、登熟期間の夜の気温が高温になりすぎたため、品質だけでなく、収量にもマイナスの影響が出ている。また、鳥取では稲の倒伏を回避するため施肥量を減らし、収量が減っていることが加味された。
農水省は18年12月から平成19年12月まで「水稲平年収量に関する検討会」(平成)を開催した。このなかで九州は地球温度の高まりで夏場の気温上昇が大きく25℃を超えることから、出穂が高温期に当たり、出穂後の最低気温の上昇も大きく登熟の阻害となり、品質、収量とも温暖化の影響が出ているとし、米の平年収量を見直すとの結論を得ている。
農水省は、温暖化の影響は今後徐々に現れるだろうとし、毎年検証を行って平年収量に反映する予定。
作柄表示地帯別の10a当たり収量は、6月末頃を目途に決定する。

平年収量・表

(2008.03.19)