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「施肥コスト低減運動」などコスト低減対策を実施

−JA全農

 JA全農は肥料価格の期中値上げを4月から行うことを決めたが、背景には中国・インドなどの経済成長や穀物のエタノール需要急増にともなう尿素・りん安・加里などの主要肥料原料の高騰がある。  期中価格改訂は12年ぶりのことだが、これらの価格高騰は世界的な穀物増産による構造的、持続的なものとみられおり、JA全農では18年度から取り組みを進めている「生産資材価格コスト低減チャレンジプラン」に加えて、20年度からは肥料原料高騰に対応したコスト低減策の提案・実践を行っていく。  対策のひとつは「施肥コスト低減運動」(仮称)。国内資源である、たい肥の有効利用と土壌中の過剰成分を...

 JA全農は肥料価格の期中値上げを4月から行うことを決めたが、背景には中国・インドなどの経済成長や穀物のエタノール需要急増にともなう尿素・りん安・加里などの主要肥料原料の高騰がある。
 期中価格改訂は12年ぶりのことだが、これらの価格高騰は世界的な穀物増産による構造的、持続的なものとみられおり、JA全農では18年度から取り組みを進めている「生産資材価格コスト低減チャレンジプラン」に加えて、20年度からは肥料原料高騰に対応したコスト低減策の提案・実践を行っていく。
 対策のひとつは「施肥コスト低減運動」(仮称)。国内資源である、たい肥の有効利用と土壌中の過剰成分を土壌診断に基づく効率活用などに取り組むもので(1)たい肥の肥料成分、土壌の余剰成分の分析・把握を行い、養分が過剰な場合は、(2)たい肥中の肥料成分に応じて施肥量を削減、(3)新たな低りん酸・低加里などの低成分統一銘柄を普及などを提案する。
 また、養分が適正、あるいは不足している場合は、減肥・省力化が可能な肥効調節型肥料の普及や、ほ場実態に即したBB肥料の活用を図っていく。
 これらを施肥コスト低減運動の基本として取り組みを進めるが、メーカーが輸入している安価な海外肥料についてもJAと協議しながら試験的に取り扱う。
 肥料原料の確保対策も課題でりん鉱石産出国の輸出抑制の動きがあるなか、今年1月、JA全農はベトナムの山元と長期契約を締結した。ベトナムが他国と長期契約するのは初のケースだという。そのほか傭船の確保と海上運賃抑制のため、今年7月に肥料専用船を就航させる。
 国内未利用資源対策のうち、下水汚泥肥料については19年度の取り組みで製品化のめどがつき、事業化については今後、補助事業の活用など行政との協議をする。また、鶏糞燃焼灰は20年度から試験販売を開始する。
 肥料供給・購買対策の再構築にも取り組む。広域農家配送拠点は34県域、104拠点、149JAとなっているが、21年度末までに37県域、122拠点、196JAに拡大る。

(2008.03.25)