農水省は、食品事業者のコンプライアンスの確立に向けた自主的な取り組みをいっそう促進するため、「食品業界の信頼性向上自主行動計画策定の手引き〜5つの基本原則〜」を策定し、3月25日、全国180の食品事業者団体に自らの取り組みと会員事業者への推進を文書で依頼した。傘下の会員数は11万事業者。
昨年1月以来不祥事が相次いだことから、農水省は、昨年10月に岩永副大臣を本部長とする「食品の信頼確保・向上対策推進本部」を設置して手引きの策定を急ぎ、このほど決定したもの。
食品事業者団体に対しては、「信頼性自主行動計画」を策定し、今年4月以降の総会や理事会で決定、実際の行動に移すことを求めた。具体的には、表示のガイドライン作成、セミナーの開催、消費者への食品に関する情報の提供活動など。
団体傘下の食品事業者には、5つの基本原則と、基本原則ごとの具体的な取り組み方針、行動内容を提示し、これを参考にマニュアルを作成し、実際の取り組みを進めることを期待している。事業者の業種が広いため、
6つの主要な業種(食品製造事業者・食品輸入事業者、食品製造小売事業者、外食事業者、中食事業者、生鮮食品卸売事業者、食品小売事業者)を対象に、5つの基本原則(▽消費者基点の明確化▽コンプライアンス意識の確立▽適切な衛生管理・品質管理の基本▽適切な衛生管理・品質管理のための体制整備▽情報の収集・伝達・開示等)について、各業種の特性を踏まえた具体的なマニュアルのひな型を提示した。
農水省は4月に「食品業界コンプライアンスの企業・団体相談窓口」を設置し、推進上の相談に応じることにしている。また、推進状況についても把握して行くとしている。