自治体やJA、生協のトップは食料自給率が39%に落ち込んだことに「不満感」や「憤慨感」を抱いていることが(社)農業開発研修センター(京都、藤谷築次会長)の農業・農政に関するトップ層の意識調査で明らかになった。
調査は自治体とJAについては各半数を無作為抽出し、地域生協については全組織を対象にトップ層の見解を聞いた。毎年の調査で今回は9回目。結果発表は3月中旬。
調査は自給率低下に対する受け止め方で7つの選択肢を挙げたが、うち「日本人の食生活に特段の問題が生じているわけではないので問題だとは思わない」と回答した人はわずか0.7%で前回調査よりさらに0.6ポイント下がった。
反対に「自給率向上は国内生産を増やすことだと考えてきただけに大いに不満を感じている」が37%強、また「45%の目標値を設定しておきながら、政府にやる気があるのかと非常に腹立たしい」が32%強となり、合計約69.3%が不満・憤慨を表明。前回を3ポイント上回った。
とりわけJAトップでは「腹立たしい」が55%弱と高く、「不満」との合計が88%に達した。しかし前回の「腹立たしい」という回答率と比べると約2ポイント低くなっている。
自給率が40%を割った局面変化については、自治体とJAよりも生協トップの反応が強く、「腹立たしい」が31%から41%弱と約10ポイントも上昇した。
国民合意の農政実現のための取り組み課題に対する期待度については「地産地消運動」が81%強、「農協・生産者と生協・消費者の多様な交流」が70%強、「特別栽培・有機栽培の取り組み」が60%弱の順で高い。ついで「食育運動」、「ふるさと回帰・循環運動」などの順。
また自給率向上の「目標設定は必要か」という質問には8割強のトップ層が「必要だ」と回答した。