農水省は4月1日付で大臣官房に食料安全保障課を新設した。わが国の食料安全保障を確保する体制を整備するため、世界の食料事情の変化に対応した業務を展開する。定員は14名体制で、さらに省内関係部からの併任6人を含め、20名体制とした。
初代となった末松広行課長は、次のように抱負を話した。
1.国際的食料事情の分析をきちんとやる。在外公館等各所に情報が散らばっているので、集積して分析力を高めて行く。輸出国側の情報に依存せず、輸入国の立場で需給予測の手法を開発する
2.食料のための施策の推進の広報に力を入れる。国民に国産食材を使ってもらうことが基本だ。主食用米、米粉、飼料用米など水田の有効活用が自給率向上につながる。自給率向上運動のあり方も検討する。
3.農水省が平成16年に策定した「不測時の食料安全保障マニュアル」が、いざという時に実際に運用できるよう、いろいろな面から検討を進める。
◇
農水省が食料安全保障課を大臣官房に設置したのは、各部局の殻を破って国際事情の変化に臨機応変に対応できる体制を整え、司令塔の力を発揮することがねらい。