若林農相は4月2日、来日中のバーク豪州農水林業大臣と日豪EPA、WTO農業交渉などをめぐって意見交換した。
日豪EPAについて若林農相は、2月に両国間でリクエストオファーを行い、今後も交渉を続けていくが、「引き続き重要品目の除外を求めていく」ことを表明した。とくに我が国の農林水産業の「センシティビティについて豪州が十分に理解し、交渉では豪州側が十分な柔軟性を発揮することが必要」と改めて強調した。
また、WTO農業交渉については、上限関税の導入反対、重要品目の十分な数の確保と柔軟な取り扱い措置の3点を交渉で重視していることを伝え、この点について豪州側が理解することが、今後の交渉促進につながると話した。
これに対してバーク農相は日豪EPA交渉での重要品目の取り扱いなどに具体的に言及しなかったが、「豪州にとっての貿易交渉の優先事項はWTO交渉。年内妥結が重要」との考え方を示した。ただ、一方で包括的で質の高いEPAの推進も重視していると語り、「EPA(交渉)の成功には両国の生産者が直面している問題についての相互理解が必要」と述べた。
バーク農相は豪州生産者が直面している問題として、2年連続の干ばつ被害を指摘し「気候変動への対応が新政権の最大の課題だと認識している」と話した。
意見交換では日豪EPA交渉について、両国の立場は異なるものの、引き続き交渉を行い十分な議論していくことでは一致した。
バーク農相は昨年12月に発足したラッド新政権で初めて閣僚に就任。38歳。就任後初の外遊で日本のほか、中国、韓国を訪問している。