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コープ商品事業の再構築へ 冷凍ギョーザ問題検証委「中間報告」会見で山下会長表明

日本生協連 (4/11)

◆情報伝達の遅れと共有化不足 記者会見する山下会長(左)と吉川委員長 日本生協連は、中毒事故などを起こした中国産冷凍ギョーザ問題で、これまでの生協の対応や品質保証体制などについて客観的・専門的な観点からの評価と今後の対応についての助言を求めて、吉川泰弘東京大学大学院教授を委員長に「日本生協連・冷凍ギョーザ問題検証委員会」(略称第三者検証委員会)を設置し検討していたが、4月11日にその「中間報告」を公表し山下俊史日本生協連会長も同席して記者会見を行った。「中間報告」では、「クライシス(発生した危機状況)を判断する立場への情報伝達の遅れがあった」ことや「生協組織内および委託先企業との情報共有がで...

◆情報伝達の遅れと共有化不足

記者会見する山下会長(左)と吉川座長
記者会見する山下会長(左)と吉川委員長

日本生協連は、中毒事故などを起こした中国産冷凍ギョーザ問題で、これまでの生協の対応や品質保証体制などについて客観的・専門的な観点からの評価と今後の対応についての助言を求めて、吉川泰弘東京大学大学院教授を委員長に「日本生協連・冷凍ギョーザ問題検証委員会」(略称第三者検証委員会)を設置し検討していたが、4月11日にその「中間報告」を公表し山下俊史日本生協連会長も同席して記者会見を行った。
「中間報告」では、「クライシス(発生した危機状況)を判断する立場への情報伝達の遅れがあった」ことや「生協組織内および委託先企業との情報共有ができなかった」ことが「事態の重要さの判断や対応の遅れを招いた」と指摘した。
また委託製造における品質管理について、「海外製造の場合は、輸入業者が製造管理を行う場合が多い」としたうえで、「海外への委託製造に関しては、国内と異なる法律や社会状況などを考慮した対応が必要である。今回の委託先の評価や契約後の管理体制、委託工場に対する監査・検査は適切であったか、さらなる検証が必要である」としている。
中間報告では「クライシス・マネジメントにおいては、会員生協は日本生協連を司令塔として受け入れ、日本生協連はその重責を受け入れることが必要」だとしているが、この点について吉川教授は記者会見で、「生協は自発的にできた組織を階層的にまとめてきた。その良さはあるが、今回のような場合にはその階層性の複雑さが弱点として表れた」と指摘、それを克服するために日本生協連を「司令塔」とすべきだと語った。
第三者検証委員会は5月中には、日本生協連の食品安全管理やクライシス・マネジメント対策に関する提言をする予定だ。

◆「工場なきメーカー」の責任負う

日本生協連は当日に「コープ商品の品質保証体制再構築に向けた当面の対策」も発表した。
それは、中国製造商品については「すべて生産時に職員を派遣し点検」するというもの。そのため現在の上海に加えて青島に新たに事務所を開設。「あわせて現在製造委託している中国60工場を見直し絞り込む」など輸入食品対策や苦情対応での日本生協連・会員生協・事業連合の連携対応や製造委託先との事故情報連携の仕組みの整備、検査機能の強化、工場点検の強化、さらに「コープ商品の統廃合を進めて、品目数を減らし品質管理の向上に取組む」など20項目におよぶものだ。
山下会長は記者会見で、 コープ商品の品目数を現行の3分の2程度に減らすことを考えていると述べるとともに、「商品事業を再構築することが信頼回復につながる」として、要旨次のように語った。
コープ商品は委託製造で開発し日本生協連は法制度上は「販売者」だが、組合員・消費者からは、生協=コープ商品=安全と見られてきた。コープ商品=日本生協連なら、原料調達から生産、流通、販売まで責任をもっていると認識されてきた。その信頼を今回裏切ったということを重く受け止め、日本生協連の実態を変えることで、そうした消費者・組合員の負託に応えられる管理能力を備えた組織にしていきたい。
食品の安全については、これまでも小売りとしてはしっかりやってきたが、組合員・消費者の期待は「工場なきメーカーとして販売時点までの管理に責任を取れ」ということだと受け止め直し、「工場なきメーカー」として、(工場をもっている)メーカーと同レベルといわれるような組み立てをしたい。

(2008.04.15)