米国農務省は3月末に同国の生産者への聞き取りをもとにした2008年の農作物作付け予想面積を公表している。
それによると07年にくらべて大豆の作付けが18%と大幅に増える一方、トウモロコシは8%減る見込みになっている。
米国ではトウモロコシのエタノール需要の急増で、作付けの「大豆→トウモロコシ」シフトが起き、07年の大豆作付けは前年にくらべて16%も減少、その結果、大豆価格は高騰し今年1月には1ブッシェル(約25kg)13ドルに高騰した。
今年はこうした大豆価格の高騰をふまえて米国生産者に大豆の作付け意向が戻り、7480万エーカー(約2992万ha)の作付けとなる見込みだ。ただし、過去最高だった06年の作付け面積にくらべて1%少ない。
一方、トウモロコシは8600万エーカー(約3440万ha)の見込みで、1944年以来最高だった07年よりも8%減る。米国農務省の分析では他の作物が価格面で有利なことと、トウモロコシ生産のコスト高、輪作の考慮などを要因としている。
また、小麦は昨年より6%増えて6380万エーカー(約2552万ha)になると予想。綿花は13%減の940万エーカー(約376万ha)の見込みとなっている。
米国の作付け予想面積の公表でシカゴ商品取引所のトウモロコシ価格は1ブッシェル6ドルを記録した。飼料原料価格の一層の高騰も懸念される。