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中山間地の担い手めざし会社設立

−東京農大 (4/1)

 東京農業大学は後継者不足・高齢化が深刻な中山間地域で新たな担い手として、生産から販売、加工まで事業展開をする新会社を4月1日に設立した。  会社名は「株式会社じょうえつ東京農大」。新潟県上越市の中山間地域の谷浜、桑鳥地区で耕作放棄地などを借りて農場を経営する。  同大はこの地域で16年から米、野菜などの有機栽培実証試験に取り組んできたが、その成果を実践活動に結びつけることで、担い手不足に悩む同地域の新たな担い手として活動しようというもの。地元や上越市、産業界からの要請と支援を受けて設立。同大の教職員やOB、地元農家の有志が運営に協力するという。  当面の農...

 東京農業大学は後継者不足・高齢化が深刻な中山間地域で新たな担い手として、生産から販売、加工まで事業展開をする新会社を4月1日に設立した。
 会社名は「株式会社じょうえつ東京農大」。新潟県上越市の中山間地域の谷浜、桑鳥地区で耕作放棄地などを借りて農場を経営する。
 同大はこの地域で16年から米、野菜などの有機栽培実証試験に取り組んできたが、その成果を実践活動に結びつけることで、担い手不足に悩む同地域の新たな担い手として活動しようというもの。地元や上越市、産業界からの要請と支援を受けて設立。同大の教職員やOB、地元農家の有志が運営に協力するという。
 当面の農場規模は10haで米、野菜、そばなどを栽培する。有機栽培にこだわり、集落の農家のなかにも同社と同じように米の有機栽培に取り組む協力農家もある。
 「個人で農業を続けられる農業者には継続してもらう。地域と一体となって農業を維持していくのが狙い」と同社代表取締役の藤本彰三・国際食料情報学部教授は話す。
 生産物は「東京農大ブランド」として学生企業「メルカード農大」を通じた通信販売や、地元の店舗での販売をめざす。
 栽培管理のための社員3人が常駐し、同大教職員や学生も農作業を手伝う。設立時の資本金は100万円だが5月末までに約200人が出資して資本金は4000万円になる見込みだという。
 来年度には上越市と協議して農地の特定法人貸付事業を利用してリース方式で農地を借りる方針。同地域は、いわゆる行き止まり集落だが「きれいな水など条件はいい。いずれは集落全体を有機栽培とするなど付加価値をつけた中山間地農業をめざしたい」という。

(2008.04.16)