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パイロットJA設定し担い手対策推進

−全農改革 (4/23)

 JA全農は4月23日、「全農改革」の達成度と今後の課題について明らかにした。  担い手支援の19年度目標は、肥料満車直行や農薬大型規格、農機リース助成など価格対策とサービス・インフラ対策で28.7億円としたが、実績は15.5億円と目標対比で54%にとどまった。  担い手支援メニューは400ほどあるが、全国本部や県本部が策定したもので必ずしも「担い手のニーズを吸い上げてつくったものではない」(JA全農)として、今後は「担い手に出向く活動」を通じて把握したニーズをもとに対策メニューづくりを行う取り組みを強化する。  そのため、JAの担当者による「出向く活動」支...

 JA全農は4月23日、「全農改革」の達成度と今後の課題について明らかにした。
 担い手支援の19年度目標は、肥料満車直行や農薬大型規格、農機リース助成など価格対策とサービス・インフラ対策で28.7億円としたが、実績は15.5億円と目標対比で54%にとどまった。
 担い手支援メニューは400ほどあるが、全国本部や県本部が策定したもので必ずしも「担い手のニーズを吸い上げてつくったものではない」(JA全農)として、今後は「担い手に出向く活動」を通じて把握したニーズをもとに対策メニューづくりを行う取り組みを強化する。
 そのため、JAの担当者による「出向く活動」支援のために設置された県本部担い手担当者ごとに、重点的な取り組みを進めるパイロットJAを設定し、出向く活動の徹底による担い手のニーズ把握と対策メニューづくりを行う。とくに生産法人や青年組織から評価されるメニュー創出に力を入れる。
 また、メニューでは手取り確保につながる販売力強化を軸とする。そのため県本部の現業部門や子会社の営業マンなどとも連携も強化し、担い手に対し契約栽培など商品企画として提案にも取り組む。

◆米の安定取引販売は目標達成

 「生産者・組合員の手取り最大化」の課題では、米の流通経費削減に取り組んでいるが、19年産米では対象34県本部のうち30県程度で60kgあたり2000円以下の目標を達成する見込みとなっている。また、米穀手数料の全国一本化と10%削減目標も達成した。
 園芸販売では、直販事業が目標2500億円に対し2643億円と計画対比109%となり、また、買取販売実績も目標300億円に対し460億円と大きく上回った。買取販売では県本部が業績を伸ばしたという。
 米の販売では「実需者を特定した安定的取引の拡大」が課題で、具体的には播種前・収穫前契約、契約栽培と特定契約(実需者と数量、価格、引き取り期限をセットにした契約)で、19年産では播種前・収穫前契約と契約栽培による販売量は14.8万トン、特定契約販売は88.1万トンと合計で102.9万トンとなった。こうした取引を20年産で100万トンとしていたことから目標は達成し、さらに拡大に向けて推進していくとしている。
 また、生産資材手数料の引き下げでは19年度は25.2億円削減で2年間で42.4億円の削減を実施した。要員削減では22年度末に2万人が目標だが、19年度末では約2万2000人となった。子会社の再編合理化では19年度末で141社となった。20年度末には114社の見込みで改善計画目標を達成する見通しだ。

(2008.04.25)