これによると、20年3月末における主要共済合計の共済金支払いは、件数が572万8000件(前年同期比118.0%)、金額が3兆8278億円(同111.1%)と、件数・金額ともに前年度より増加た。
その内訳をみると、事故共済金は、件数が198万件(同97.8%)、金額が9392億円(同98.4%)と前年度より減少している。しかし、満期共済金は件数が259万6000件(同152%)、金額が2兆3187億円(同118.6%)と増加している。
満期共済金を共済種別にみると、養老生命共済は件数75万件弱(同104.6%)、金額1兆1735億円(同115.9%)。建物更生共済は、件数152万件弱(同220.3%)、金額1兆305億円(同122.5%)となっており、養老生命共済も満期が増加しているが、建更の満期到来件数が前年の2.2倍となっていること。さらに年金共済の件数106万600件(同107.7%)、金額5647億円(同107.2%)も増加していることが、「主要共済合計の共済金支払の件数・金額が増加した主な要因」とJA共済連では分析している。
また、自然災害による建物更生共済の共済金支払いは、件数が7万8000件(同57.8%)、金額が592億円(同109.4%)となっている。件数の減少は、18年度は18年9月発生の台風13号による支払件数が多かったことから19年度の件数が相対的に減少したため。
金額は19年7月の新潟県中越沖地震や前年度の19年3月の能登半島地震による支払いを主な要因として増加している。新潟県中越沖地震による共済金支払額は、19年9月末時点の249億6350万円から増加し、19年度末では307億9990万円となっている。
◆保有契約高は減少
19年度のJA共済は既報のように19年4月実施の仕組改訂と共済掛金率の改訂効果などで生命共済が18兆1622億円(推進保障ベース)と昨年比171.2%と大きく伸長して目標を達成(達成率134.2%)。建物更生共済の12兆9897億円と合わせて、3年ぶりに30兆円を超える水準となった。
しかし、すでにみたように満期共済が依然として高い水準にあるため、保有契約高が、生命共済185兆2738億円(9兆5997億円減少)、建物更生共済が155兆6655億円(1兆1338億円減少)と期首より減少している。