試験研究機関に委託して農作物の新品種を育成している農水省は、品質や収量、また耐病性の向上などで優れた特性を示し、普及が見込まれる20作物37品種を平成19年度の農林認定品種と決め4月25日公表した。 認定品種が最も多いのは水稲が10、次いで麦類4、大豆とサトウキビが3などとなっている。
飼料用としては乾物収量が高く、早生に属する「べこごのみ」と名付けられた水稲の品種(育成は農業・食品産業技術総合研究機構東北農業センター)や、播き遅れても収量が高い「九州14号」というエン麦(同機構九州沖縄センター)がある。この品種は緑肥としても期待されるという。
宮城県立古川農業試験場の申請では冷害に強い「やまのしずく」と「ゆきむすび」という品種が認定された。後者はいもち病にも強い。愛知県立総合農試は防除を省略できるほどいもち病に強い「みねはるか」という品種を育成した。
大豆では納豆、煮豆と用途に適した品種、カキでは2品種とも大玉で食味に優れ収量性が高い特性が、またミカンでは機能性成分を多く含む品種が目立った。 従来は農水省が優良品種を命名してきたが、19年度からは育成機関に命名を委ね、スピーディに育成者権を確保するという新しい認定制度に改めた。今回の公表は新制度に基づく最初の品種認定となる。
新品種の育種研究は独立行政法人、都道府県の指定試験地、民間団体や大学に委託されている。