農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

「食の安全」8割が不安

 −食育意識調査

食生活に悩みや不安を感じているのは、男性では3人に1人、女性では2人に1人で、その内容は「食の安全性」が81%と高いことが内閣府が行った「食育に関する意識調査」結果で分かった。 不安や悩みの内容はほかに、「家族の健康」50.7%、「自分の健康」46.7%が多く、「将来の食料供給」も3割以上の人があげた。   調査は今年2月末から3月上旬にかけて行われ、成人男女約1700名の回答をまとめた。食の安全性への不安の高まりは今年に入ってからの中国製冷凍食品事件など、「社会的な関心の高まりを反映したのではないか」(内閣府)という。 この意識調査は17年、19年に続き3回め。「食育」の言葉を知っ...

食生活に悩みや不安を感じているのは、男性では3人に1人、女性では2人に1人で、その内容は「食の安全性」が81%と高いことが内閣府が行った「食育に関する意識調査」結果で分かった。
不安や悩みの内容はほかに、「家族の健康」50.7%、「自分の健康」46.7%が多く、「将来の食料供給」も3割以上の人があげた。

悩みや不安の内容

 

調査は今年2月末から3月上旬にかけて行われ、成人男女約1700名の回答をまとめた。食の安全性への不安の高まりは今年に入ってからの中国製冷凍食品事件など、「社会的な関心の高まりを反映したのではないか」(内閣府)という。 この意識調査は17年、19年に続き3回め。「食育」の言葉を知っているという人は74%と前回にくらべ8.8ポイント増加した。食育への関心度も前回より5.6ポイント増えて75.1%の人が関心を持っていることが分かった。
ただ、食育推進基本計画では、食育に関心を持っている国民の割合を平成22年度に90%以上とすることを目標にしていることから、内閣府では「目標達成にはなお一層の努力が必要」としている。また、食育についての関心は高まっているものの、「食事バランスガイド」などを参考にした食生活の実践は、56.7%と前回から横ばい(58.8%)だ。
一方、「メタボリックシンドローム」の認知度は、意味はともかく言葉は知っているという人を含めると96.2%という結果となった。基本計画の認知度目標値は22年度で80%以上としているが、「メタボ」に関しては目標値をクリアしたことになる。基本計画ではいくつかの目標値を掲げているが、初めて達成した項目だという。
メタボリックシンドロームの予防や改善のために、食事・運動の実践度では、「継続的に(半年以上)実践」は3人に1人。男性の60歳代では40.2%、女性では45.7%と高い。
今回の調査では、食をめぐる状況が子どものころと現在でどう変化したかも聞いた。
子どものころより今のほうが「増えたり広がった」という項目では、「食の安全性への不安」(66.4%)、「食品購入のしやすさ」(55.8%)などが高い。一方、「減った」のは「食卓を囲む家族の団らん」(47.2%)、「地域性や季節感のある食事」(32.7%)、「食事の正しいマナーや作法」(30.8%)などがあがった。

◆「日本の食、海外依存を実感」が8割超す

日頃の食生活で「実感していること」を聞いたところ、「食生活は生産者をはじめ多くの人々の苦労や努力に支えられている」ことを実感しているとした回答は、91.3%に達した。「健全な食生活は生活習慣病予防につながる」も93.9%と9割を超えた。また、「日本の食は海外に大きく依存している」では85.4%が実感していると回答した。
その一方、「地域にはその土地の伝統的行事や気候などと結びついてはぐくまれてきた食文化がある」という項目では「実感することがない」が27.2%と高かった。
郷土料理や伝統料理など「次世代に伝えたいものがある」とする人は67.8%でそのうち「実際に伝えている」のは34.6%。40〜60歳代の女性で高い。また、住んでいる地域に「愛着を感じている」のは6割弱で、こうした地域に愛着を感じている人では、伝統料理などの食文化を次世代に「実際に伝えている」と回答した割合が4割を超え高かった。

(2008.05.08)