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経営維持できる経営対策の強化を

 −JAグループが畜・酪追加策で団体要請

 自民党の農業基本政策小委と畜産・酪農対策小委の合同会議が5月9日午前開かれ、JAグループなどが畜産・酪農対策の追加対策について団体要請を行った。   JAグループを代表して全中の宮田勇会長は想定を超える飼料高騰が続くなか畜産・酪農の現場は「経営が維持できるか、きわめて不安な状況にある」と強調、8日に決めた政策提案に基づき(1)配合飼料安定基金制度の強化、(2)政策価格の期中改定を含む経営安定対策の強化、(3)生産コストの適正な価格転嫁対策、(4)飼料米等自給飼料基盤の抜本的強化対策の4点を要請した。   また、日本酪農政治連盟の佐々木勲委員長も飼料...

 自民党の農業基本政策小委と畜産・酪農対策小委の合同会議が5月9日午前開かれ、JAグループなどが畜産・酪農対策の追加対策について団体要請を行った。
  JAグループを代表して全中の宮田勇会長は想定を超える飼料高騰が続くなか畜産・酪農の現場は「経営が維持できるか、きわめて不安な状況にある」と強調、8日に決めた政策提案に基づき(1)配合飼料安定基金制度の強化、(2)政策価格の期中改定を含む経営安定対策の強化、(3)生産コストの適正な価格転嫁対策、(4)飼料米等自給飼料基盤の抜本的強化対策の4点を要請した。
  また、日本酪農政治連盟の佐々木勲委員長も飼料対策など再生産確保のための酪農経営安定対策を求めた。  会議では同党の配合飼料高騰対策PTの葉梨康弘座長が、穀物価格の高騰が続き2月に決めた緊急対策の効果が薄まっており、7月以降も高騰が続けば現場は対応できないとの認識のもと、今月末に決める追加の緊急対策と、配合飼料価格安定制度の見直しなど中期的な対策、産地づくり交付金の見直しにもつながる自給飼料基盤強化対策など、今後、検討内容を整理し「ロードマップをつくりながら議論をしていきたい」と話した。
  また、出席議員からは、輸入配合飼料に安易に頼らなくてもすむような草地改良など自給飼料生産の必要との意見や、畜種別に飼料用米の利用可能性を検討すること、生産コスト上昇分の価格転嫁策などに取り組むべきとの意見が出た。
  このうち飼料用米の畜種別利用については農林部会で今後、研究チームをつくるなど利用促進に向けた検討をはじめる意向が示された。
  合同会議終了後、西川公也農業基本政策小委員会委員長は記者団への説明のなかで、追加対策の考え方について「今後の飼料価格高騰をある程度は見通している」としながらも、JAグループが求めている政策価格の期中改定については、過去に例がないことから「こういう異常事態対策は整理できていない。(期中改定要請の)話があった、重く受け止めた、ということしか(今の段階では)いえない」などと慎重な姿勢を示した。  また、世界的な穀物高騰に歯止めをかけることも重要で、米国のエタノール製造へのトウモロコシ利用など先進国の農産物生産について「(洞爺湖)サミットで、やはり食料優先だ、という合意が得られればいい。サミットは(穀物価格高騰に歯止めをかける)有効な手段ではないかと思っている。(食料問題の議論を)やってもらうことを期待している」と述べた。

(2008.05.09)