4月21日に秋田県十和田湖畔で発見された白鳥の死体と衰弱した個体から検出したウイルスがH5亜型のA型インフルエンザと特定された件で、環境省は5月1日、巡視していた同省釧路自然環境事務所職員が野付半島で24日に収容されていたオオハクチョウの死亡個体から、簡易検査で鳥インフルエンザウイルスの陽性反応を確認したと発表した。また、5日、環境省と北海道は、検出されたウイルスを北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターで検査した結果、強毒タイプのH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザであることがわかったと発表した。
さらに、北海道は5月5日、巡視中の網走支庁職員が同日サロマ湖畔で発見したオオハクチョウの死亡個体から、簡易検査で鳥インフルエンザウイルスの陽性反応を確認したと発表。A型インフルエンザウイルスか、高病原性かを確認するため北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターで6日から検査していたが、10日、強毒タイプのH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザであることがわかったと発表した。道は10日、このオオハクチョウが収容された地点から半径30km圏内にある養鶏農場3戸について、家畜伝染病予防法にもとづく立ち入り検査を行い、緊急的な石灰消毒を命じた。
農水省は、5日以降北海道全域の105農場から週1回報告を求める。野付半島のある根室管内では30km圏内の5農場、30km圏内を除く4農場で緊急消毒を7日までに終わった。これらの農場では異常がないことが確認されている。
サロマ湖がある網走管内では、30km圏内の11農場に6日立ち入り検査をした結果、異常はなかった。30km圏内を除く18農場でも5日の聞き取り調査では異常がなかった。
青森、岩手、秋田県では県の聞き取り、立ち入り調査で30km圏内、県下全域の農場で8日まですべて異常はない。3県とも緊急消毒を実施している。