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生産調整の周知徹底に全力を

 −JAグループ (5/8)

 20年産米の計画生産の実効確保がJAグループの最重要課題となっているが、5月8日の全中理事会では3月末までの各地の取り組み状況が報告された。  生産調整の達成のための具体策や重点作物の取り組み予定面積などを盛り込んだ「行動計画」は47都道府県全部で策定された。  そのうち「取り組み方針を策定」しているのは41県、「計画生産推進本部の設置」は28県、「県段階で行政機関と合意書を締結」は21県、「重点推進JA(市町村)の設定」は27県などとなっている。  また、「生産調整非参加者への推進」を実施したのは24県で今後、19県が実施するとしている。「地域間調整の推...

 20年産米の計画生産の実効確保がJAグループの最重要課題となっているが、5月8日の全中理事会では3月末までの各地の取り組み状況が報告された。
 生産調整の達成のための具体策や重点作物の取り組み予定面積などを盛り込んだ「行動計画」は47都道府県全部で策定された。
 そのうち「取り組み方針を策定」しているのは41県、「計画生産推進本部の設置」は28県、「県段階で行政機関と合意書を締結」は21県、「重点推進JA(市町村)の設定」は27県などとなっている。
 また、「生産調整非参加者への推進」を実施したのは24県で今後、19県が実施するとしている。「地域間調整の推進」は22県が実施し、15県が今後の実施を予定している。
 ただ、これまでの取り組みで課題や問題点も明らかになってきた。全中のまとめによると(1)行政関与の強化が決まったにもかかわらず、非協力市町村がある、(2)水稲面積の統計データとのかい離が大きく精査が必要な地域があること、(3)生産調整未実施者への有効な誘導策がないこと、などがあがっている。
 また、昨年末に10万haの生産調整面積拡大を達成するために、地域水田農業活性化緊急対策(緊急一時金)が決まったが、緊急一時金の周知徹底が不十分、要件(交付額と遵守期間)が厳しい、緊急一時金は達成県にはメリットがない、実施者の産地づくり交付金が薄まってしまう、飼料用米生産は1回限りの助成では取り組みにくい、などの声も出ている。
 JAグループではこうした課題については、国に対して有効な対応策を要請していくとしている。
 その一方、本格的に作付け段階を迎えるにあたって、作付けされてしまえば、適正生産のためには非主食用米への切り替えや青刈りなどの対策しかなくなることや、かりに生産調整目標が達成できず過剰作付けとなると産地づくり交付金の減額という措置の可能性もあることを十分に考えなければならない。
 このため生産者とJAとの出荷契約の締結時期、、とくに飼料用米など新規需要米の取り組み計画書の提出期限の5月下旬までが、非常に重要な時期であるとして、緊急一時金などのメリット措置を周知徹底させ、「生産現場での転作積み上げを強力に推進する」こととしている。
 なかでも計画生産達成のためには生産調整未実施者の誘導が不可欠であり、行政や関係団体と連携して「計画生産への働きかけを粘り強く実施していく」ことも重要になる。

(2008.05.13)