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後半に景気持ち直し08年度は1.7%成長を予測

−中金総研見通し

 農林中金総研はこのほど発表した08年〜09年経済見通しで、08年度の実質GDP成長率は1.7%、名目GDP成長率は0.7%と予測した。  今年1月〜3月期は所得が伸び悩むなかで、相次ぐ値上げによる家計マインドの悪化、資源高による企業収益の圧迫、円高など、日本経済は不安要因が多かったが、1〜3月の実質GDP成長率は前期比年率プラス3.3%と表面的には堅調な姿を示した。  しかし、企業の設備投資は前期比マイナスとなるなどの先行き懸念は強いうえ、峠を越したとの見方もあるサブプライム問題による金融システムの悪化懸念も、その改善に向けた動きは出ていないことや、米国経済減速の波及...

 農林中金総研はこのほど発表した08年〜09年経済見通しで、08年度の実質GDP成長率は1.7%、名目GDP成長率は0.7%と予測した。
 今年1月〜3月期は所得が伸び悩むなかで、相次ぐ値上げによる家計マインドの悪化、資源高による企業収益の圧迫、円高など、日本経済は不安要因が多かったが、1〜3月の実質GDP成長率は前期比年率プラス3.3%と表面的には堅調な姿を示した。
 しかし、企業の設備投資は前期比マイナスとなるなどの先行き懸念は強いうえ、峠を越したとの見方もあるサブプライム問題による金融システムの悪化懸念も、その改善に向けた動きは出ていないことや、米国経済減速の波及リスクが残っていることから、農林中金総研では「08年度前半の日本経済は厳しい展開が続く」と予想している。
 消費者物価も商品市況の高騰にともなった価格転嫁が進み、所得の伸び悩みに直面する家計では「消費抑制を強める可能性が高い」と見通している。
 しかし、世界同時不況への波及が懸念された米国経済は、昨年10月から今年3月にかけて2期連続でプラス成長を保ち、さらにこれまでの大幅利下げや減税効果によって下支えされ、さらに今年度下期には底入れを探る展開も予測されるという。そのため輸出頼みの日本経済だが、輸出も底堅く推移することが期待されるなど、下期にかけて日本経済は再び成長力を回復すると見込んだ。
 その影響で09年度は景気再加速の動きが徐々に強まった結果、実質GDP成長率でプラス2.3%と3年ぶりに2%台回復を予測した。また、名目GDP成長率はプラス2.4%と「名実逆転」を予想している。
 なお、中国の四川大地震では1000万人の被災者と2兆円を超す経済被害と政府筋は推計しているが、被災者への緊急救援が落ち着いた後は、復興需要の動向が注目されるという。

(2008.05.27)