日本穀物検定協会(伊藤元久理事長)は5月23日、KKRホテル東京(東京都千代田区)で第119回理事会と第75回評議員会を開き、平成19年度事業報告、収支決算を承認した。事業収入は45億7400万円で、前年度より1億600万円(前年対比97.7%)減った。
協会発足以来国内産米麦を対象に検査・検定業務を実施してきたが、平成15年度には国内産、外国産の取り扱い比率が半々になり、現在は輸入農産物の検査、検定、分析関連業務が70%を占める。
19年度は世界的な穀物価格の高騰、需給ひっ迫により、わが国の麦類、飼料原料などの輸入が減った。この影響を受けて輸入関連業務が落ち込み、収支に影響した。また、水田・畑作経営所得安定対策に移行した国内産てん菜、さとうきびの検査が期中に廃止され、19年度の実績が大幅に減った。
一方、食品の偽装表示問題や輸入食品の農薬汚染問題が発生したことから、
食品の品質や表示、安全性に関する理化学分析業務は前年度に比べ増えた。また、米の情報提供システムは全農県本部などの要望に沿って機能を拡充し、対象数量が増えた。20年度はさらに産地情報を拡充し、拡大をめざす。
理事改選では現行28人中2人が退任し、3人が新任して29人となった。監事2人は重任。23日開いた第120回理事会で、常勤役員はすべて重任した。