揺るぎない植物防疫の推進へ (総会会場から) |
(社)日本植物防疫協会(岩本毅理事長、本部:東京都豊島区)は5月28日、東京都荒川区のホテル ラングウッドで『第65回通常総会』および『第85回理事会』を開催し、揺るぎない植物防疫の推進を改めて確認、そのためにも技術開発と情報提供にいっそう注力していくとした。
席上、岩本理事長は食料自給率の低下、国際的食料需給の逼迫による価格の高騰、地球温暖化にともなう作物生産への影響による病害虫発生の変化などに対応していくためにも、「植物防疫を適切に進めて行かなければならない」と強調。
平成20年度事業計画のうち植物防疫推進事業では、植物防疫上の諸問題などに関する情報交換を促進するとともに、植物防疫に関する知識や技術の向上に資するためシンポジウム、植物防疫協議会、植物防疫研修会などをいっそう充実させるとした。
また、試験研究事業では、農薬などの防除資材および防除機械などに関する試験研究、GLP試験体制の確立、成績検討体制の見直し、薬効薬害試験結果の提供、各種試験法の検討、などを重点的に進めていく。
さらに、試験研究態勢の整備では、昨年度から着手した牛久研究所建物の建て替えを引き続き行っていく。
いっぽう、役員改選では、新任理事に内久根毅(日植防)、内山治男(丸山製作所)、阪上日吉(和歌山県植防)、鈴木直(全国農業共済)、藤田俊一(日植防)の各氏を迎えた。
上路雅子技術顧問を囲んで (パーティ会場から) |
同協会は今、農薬登録制度の見直しと公益法人改革というかつて経験したことのない2つの大きな試練に直面しているが、同協会の機能を十分に発揮していくためにも、今回の布陣は「長年培って来た組織力を活かす執行部体制を求めたもの」と思われる。
なお、理事会において来賓として挨拶に立った別所智博植物防疫課長は、植物防疫を巡る情勢を説明するなか、「(日植防は)農業の生産性の向上、消費者の理解の向上などに寄与されている。研究所の機能向上を含め、これまでにも増して農業関係者、国民・消費者の期待に応えていってほしい」と語った。