農水省は家畜クローン研究の現状について毎年、情報公開しており、今年3月末の状況を6月4日公表した。これによると受精卵クローン牛の出生頭数は716頭、体細胞クローン牛は551頭となっている。これは各研究機関からの報告をまとめ始めた平成10年4月30日現在からの累計だ。
研究機関は(独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所や各道県の試験場、民間では家畜受精卵移植技術研究組合やJA全農のETセンター、雪印乳業の研究所など。
うち受精卵クローン牛を出生させた研究機関は43、体細胞のほうは44機関。
各機関で育成・試験中の受精卵クローン牛は28頭と少なく、体細胞同は86頭。
受精卵クローン牛の中で農家や肥育業者に売却されたのは387頭。食肉として処理されたことが確認されたのは316頭。
体細胞クローン牛は安全性確認などの点で11年11月に当面の出荷自粛を要請する同省畜産局長通知が出され、売却や食肉処理はなされていない。
受精卵・体細胞クローンとも病死がかなりあり、あとは死産・生後直死など。 他の家畜では体細胞クローン豚が328頭、同山羊が9頭出生している。