食品業界で偽装問題が相次ぐなか、夏場の本格的な需要期を直前にして、今度は手延べそうめんで偽装が発覚した。販売先から返品された手延べそうめんを包装し直し、新たな賞味期限を表示して再度出荷・販売していたとして農水省は6月6日、三輪そうめんの製造・販売を行う森井食品(株)(奈良県桜井市)にJAS法にもとづく改善命令を行った。
同社は、伝承手延三輪素麺の商品名などの48アイテムについて、7年前から関連会社の森嶋食品工業所(三重県名張市)に再包装した日から1年半先の賞味期限を表示させ、農水省の調査が入る直前の今年5月始めまで出荷・販売していた。
表示違反の商品は平成19年に約14t(1万1615セット)、20年に約645kg(556セット)を一般消費者向けに販売した。
また、このほかに自社が表示責任者になっているくずきりでも、そうめんの場合と同様に販売先から返品された商品を包装し直し、再包装した日から2年先の賞味期限を表示して再度出荷・販売していたとして、農水省は同日付で同社に対し、そうめん以外のすべての商品について表示の再点検を行うよう指示を行った。
手延べそうめんの不適正表示について改善命令を行ったのは、同社が長崎県で生産されたそうめんに「三輪」の産地名を表示して販売したことで、平成14年7月23日に農水大臣から指示を受けていたにもかかわらず、今回再度不適正表示をしたため、さらに重い措置がとられたもの。
また、関連会社の森嶋食品は三重県域業者のため、三重県知事が6日付でJAS法にもとづく指示を行った。