農水省は農業集落排水事業の実施方式を変える。事業主体となる市町村などと直接対話しながら地元の実情に即した“オーダーメード方式”で整備を進めることとし、その趣旨をこのほど関係者に伝えた。
同事業は昭和58年からこれまでに5000地区・340万人の生活排水を処理する施設を整備し、発生する汚泥や処理水のリサイクルを進めてきた。
現在、全国の整備率は55%だが、今後は地球温暖化対策などにも対応して資源循環の取り組みをさらに強化する必要がある。
しかし対象地域の多くが中山間などの条件不利地にあり、市町村の財政負担に十分配慮することも求められる。そこで事業主体である地元のアイデアを最大限に活かした施設整備と、その活用を図ることにした。
オーダーメード方式のポイントは▽建設と維持管理のコスト低減▽循環型農村社会の形成▽地域活性化に向けた施設の多面的活用▽国県による維持管理の支援充実ーーなど。
循環型農村の形成では▽生ゴミなど集落の廃棄物もまとめてたい肥化する施設をつくる▽処理水をかんがい用水として再利用する、などの例がある。
また多面的活用では、処理場周辺を整備して「親水公園」をつくるなどの先例を挙げた。