農水省は、全米販、日米連など米流通業界の要請に応えて実施を決めた国産政府米の試行販売の第1回入札を6月9日に行い、10日結果を公表した。
販売されたのは平成19年産米4900t(7銘柄各700t)と17年産米5250tの合計1万150t。19年産米の申し込み倍率は8.2培で全量が落札、17年産米は申し込み倍率が11.5培で、落札率は94%だった。有資格者474のうち申し込み業者数は7割近い324となり、落札したのは申し込み者の約3割の109業者だった。
19年産米の落札加重平均価格は60kg当たり1万8076円(税込み、運賃は含まない)。直接比較はできないが、コメ価格センターの運賃を含む直近の加重平均価格と比べ、新潟(一般)コシヒカリは2万3112円で、センター価格より4524円高い。宮城ひとめぼれは1万7928円で3383円、秋田あきたこまちは1万8399円で3917円高と、販売された7産地銘柄のうち6銘柄はセンター価格より2210円〜4524円高く、青森つがるロマンは131円低かった。しかし、政府米は引き取り運賃が自己負担のため、遠方の場合は数百円の費用がかかる。17年産米の落札加重平均価格は1万4158円だった。
一部銘柄の不足感から売却が要請されたため、積極的に応札した業者が価格を押し上げたとみられるが、手持ち在庫に余裕がある業者は、15年産など過去に政府米大量購入分を長期にわたり消化せざるを得なかった経験から、模様眺めをした向きもある。毎回高値が続けば、小売価格への反映ができるかどうかも現実の問題になりそうだ。
試行販売は今後隔週に行われるが、都内のある大手卸は「2回目以降が本番ではないか」と話している。
これまでコメ価格センターに月1度のペースできらら397を上場して来たホクレンは、6月25日取引への上場が最終になる模様だ。その後に実勢価格動向がわかるのは、日本コメ市場の卸間売買と政府米試行販売となる。