パンやめん類の値上げを背景に「今後はコメの消費を増やそうと思う」という人が40.8%となり、前回調査(今年1月)の32.1%を8ポイント以上上回ったという消費者動向調査結果を、農林漁業金融公庫が6月13日発表した。調査時期は今年5月で、食品値上げと輸入食品に対する意識などを聞いた。
食品の値上げについて「どの程度までなら値上げしても購入するか」という質問に対し、生鮮食品全体では平均12%まで、加工食品では10%までなら価格転嫁を受け入れるという。前回調査では生鮮食品が9%まで、加工食品が7%までだったことからすると、消費者の食品価格値上げに対する理解が深まりつつあるといえそうだ。
国産品と輸入品の価格差についても「3割を超えても国産品を選ぶ」という回答が約18%。8割以上の人が食品購入時に「国産を選ぶ」と答えており、国産志向の高まりが顕著となった。
食の志向では「食の安全に配慮したい」が41.3%と前回調査20.9%に比べて倍増。「国産物にこだわりたい」も前回12.2%から倍増して25.8%と高まった。また中国からの輸入食品については「もともと購入しない」「以前は購入したが最近は購入しなくなった」など購入を控えるという回答が8割を超え、冷凍食品全般についても購入を控えるという回答が7割を超えた。
食品の安全性イメージでは、中国産に「安全性で問題がある」という回答が前回調査76%からさらに上昇し90%を超えた。他のアジア諸国やアメリカ産の食品も「問題がある」が50%を超えた一方、国産品については「問題がある」という回答はわずか3%程しかなく、国産品に対する信頼感が非常に高くなっている。
前回調査直後に起こった冷凍ギョーザ事件をうけて、消費者の食に対する意識が大きく変わったことが明らかになった。
消費者動向調査は全国の20〜60代の男女2000人を対象にインターネット上で行った。農林漁業金融公庫では、同調査を毎年2回行っている。