被害がなくても表示ミスなどで回収される場合がある。しかし消費者の多くは何らかの健康被害があるから回収されるのだと誤解していることが調査で明らかになった。多くの人が健康被害の記載を望んでいるという結果も出た。一方で一部の消費者は「回収慣れ」から健康被害のリスクを感じないこともわかった。
また消費者は回収商品の写真掲載を求めるなど企業側の告知の現状と距離があることも明らかになった。今後は業界全体でわかりやすいひな形を作って共有することが望ましいーとの改善提案もした。
テレビ活用への期待は高いが、CMは費用が高いし即時の出稿は難しい。そこで報道番組や行政の広報番組などを活用することを視野に入れてテレビ局、行政機関、食品企業が協力して検討する必要があるーという提案もした。
調査結果の一部を見ると、商品が回収されていると知った時、「健康被害があるから食べないほうがよい」と考える人は71%強。一方で「回収はよくあること、食べても特に問題はない」とする人も8%強いて「回収慣れ」も見られた。
回収の告知手段で望ましいのは「テレビニュース」67%強、「テレビCM」62%強とテレビが圧倒的。次いで「新聞の報道」「新聞へのお知らせ掲載」など。
告知に記載してほしい内容は「回収している商品の写真・対象品の見分け方」が90%強。次いで「それを食べた場合の健康被害の有無」「回収の詳しい理由」の順。「謝罪のメッセージ」は25%に過ぎない。
なお、米国では新聞広告やテレビCMで回収告知をするのではなく、主に食品医薬品庁、農務省などの行政機関と企業のニュースリリースで発表され、報道を通して一般消費者に伝えられているーーという参考例も挙げている。