JA全農は7〜9月の配合飼料価格を4〜6月にくらべて全国全畜種総平均でトンあたり約1500円値上げすると6月20日に公表した。
改定額は地域別、畜種別、銘柄別に異なる。
飼料をめぐる情勢は、とうもろこし価格が今年に入り1ブッシェル(約25kg)5ドルを超える相場で上昇してきたが、3月末には米農務省が作付けがとうもろこしから高値が続いている大豆、小麦にシフトしとうもろしが減少するとの見通しを発表したことから、6ドルを超える水準に高騰した。作付け面積の減少によって来年度の期末在庫率見通しが5.38%(米農務省6月10日発表)と史上2番目に低い水準となっている。
大豆粕の国際相場は昨年の米国での大豆作付け面積減で今年3月には1トン390ドルを超える水準だったが今年の作付け増加見込みをうけて下落、同370ドル前後で推移した。また、国内の大豆粕価格は前期に対して値下がりが見込まれる。ただし、米国中西部では6月初旬から豪雨と洪水による被害で、今後、作付け面積や単収が下方修正も想定される可能性も指摘されている。
海上運賃は中国を中心とした鉄鋼原料輸送需要の増加で、米国ガルフ・日本間のパナマックス型運賃は4月にトン120ドル台に上昇したが、さらに南米からの穀物輸送増で急騰し、現在は同150ドル台となっている。JA全農では依然として船腹需要が旺盛なことから高値で推移すると見込んでいる。
一方、外国為替はサブプライムローン問題でドル安円高が進み、3月中旬には一時100円を割り込む円高水準となったが、米国による景気浮揚策でドルが買い戻されその後は105円前後で推移。今後、米国経済の回復に時間がかかるとみられ、日本もその影響で低調に推移することが見通されることから相場展開は一進一退が見込まれるという。