農政・農協ニュース

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施設売却で負債解消 当面は運営安定

−農林年金

農林漁業団体共済職員共済組合(農林年金)は6月20日の理事会で19年度決算を承認し、23日に概要を発表した。 19年度の特例給付金は年金受給者が前年度末に比べて6109人増加したことなどから、5億3100万円多い460億6300万円(1.2%増)。特例業務負担金収入は加盟団体の役職員が4268人減少したため2億8700万円少ない226億5900万円(1.3%減)。 加盟団体数や職員数の減少に歯止めがかからず、昨年度決算では26年度以降に給付金不足が予想されたため、昨年9月に虎ノ門パストラルを2263億円5800万円で売却し、当面の給付金不足の不安を解消した。 ◆特例年金制度の見直しについて 今...

農林漁業団体共済職員共済組合(農林年金)は6月20日の理事会で19年度決算を承認し、23日に概要を発表した。
19年度の特例給付金は年金受給者が前年度末に比べて6109人増加したことなどから、5億3100万円多い460億6300万円(1.2%増)。特例業務負担金収入は加盟団体の役職員が4268人減少したため2億8700万円少ない226億5900万円(1.3%減)。
加盟団体数や職員数の減少に歯止めがかからず、昨年度決算では26年度以降に給付金不足が予想されたため、昨年9月に虎ノ門パストラルを2263億円5800万円で売却し、当面の給付金不足の不安を解消した。

◆特例年金制度の見直しについて

今年10月から特例年金制度が見直されるが、農林年金では今年1〜3月にかけて全国147会場で意見交換会を開き、対策を検討した。
見直しでは特例業務負担率が1.964%から2.04%に引上げられるが、地域間や団体間の収益格差が広がっていることから団体負担の引き上げが困難だという意見が8割を超えたため、当面は一律的な団体負担の引き上げは行わない方針。
特例業務負担金を現行の応能負担から、賞与も含めた年間給与に対する負担へと移行する総報酬制の導入については、反対と賛成の意見がほぼ同数だったため今後の検討課題とした。
加盟者が年金受給年齢に達した時、若干の割引があるものの一時金としてまとめて受給をうけることができる一時金制度の導入については、賛成意見が過半数を超えたため早ければ22年4月から導入される見通しとなった。しかし4〜6月に行ったアンケート調査では、一時金を選択すると答えた人は4割ほど。関係者は「7割ほどに達すると見込んでいたが、意外に選択率が低くて驚いている」という。

◆人事異動

4月に就任した飯島俊彦理事長
4月に就任した
飯島俊彦理事長

概要の発表では20年4月1日付けで新理事長に就任した飯島俊彦氏が「今年1月までは2700億円の準備金不足だったが、施設の売却で負債を解消し当面の運営は安定する。ただし年金記録問題なども含めて、農林年金として今後どのように対応していくか考えていきたい」とあいさつ。
3月31日付けで近藤博彦理事長はじめ7人の役員が退任し、新たに7人の役員が就任した。新任役員は次の通り。
▽理事長 飯島俊彦
▽理事(5名) 鈴木直(全国農業共済協会常務理事)
▽阿川一(JA東京中央会会長)
▽岡山義弘(JA大阪中央会会長)
▽横山勉(JA宮崎中央会会長)
▽千葉美生(JA全中人事課長)
▽監事 中崎正彦(農林中金)

(2008.06.26)