茂木副会長 |
JA全中の次期会長候補者の茂木守(もてき・まもる)現副会長が6月24日に全中代議員ら200名が集まった所信説明会で基本姿勢を表明した。
茂木氏は、「食料の問題は今や世界の主要な課題。国民に安全で安心な食料を継続的に供給するためには農業者が自信と誇りを持てる土壌と環境が不可欠だ」と指摘し、「安全・安心な循環型農業・社会の再構築」を基本方針とし、とくに生産者と消費者の相互理解を深める交流の場づくりを積極的に進めることなどを強調した。
そのほか、「協同活動基盤の再構築、健全なJA経営、信頼され存続し続けるJAづくり」も基本方針として示し、団塊の世代リタイアという大きな転換期にあるなか、「農業を実践する人、応援する人が併存できる組合員像を描く」視点で組合員加入促進を進めるなかでJA改革に取り組む考えなどを話した。
また、3点めの基本姿勢として強調したのが「JAに対する理不尽な批判に対しては毅然として対応する」姿勢。茂木氏は「今、国が提唱している共生の社会はJA発足時より掲げる理念だ。助け合いと支え合いの理念を最新のライフスタイルとしてJAの地域での存在を意義を高めたい。守るべきものはしっかり守りながら、新しい考えを積極的に取り入れてJA改革を積極的に進めていきたい」と強調した。
全中代議員による信任投票は7月4日まで行われている。
◆モットーは「質実剛健」
所信説明会後の記者会見で茂木氏は、宮田会長のもとで3年間進めてきた「農政・組織運動を踏襲しさらに高めていきたい」と意欲を語り、今後はとくに農業者だけの農政運動ではなく「消費者ともども運動に関わっていただくことが大切になる」と話した。
また、信用・共済分離論などさまざまなJA批判への対応については「建設的なものには耳を傾けるが、理不尽なものには毅然と対応するということ」と改めて強調した。
25歳から農業を専業に。米、野菜、果樹などを生産。「農業の苦しさを実感してきた」。昭和60年にJAの理事に就任して以降、JAグループの役職を歴任、3年前に全中副会長。モットーを問われ、出身の佐久北農校の校風、「質実剛健を胸にです」と答えた。