JA全農は、20肥料年度(20年7月〜21年6月)の価格について、メーカー各社と交渉を行ってきたが、海外原料の高騰、メーカーとの交渉結果を踏まえて表のような値上げを決定した。
交渉にあたってはメーカー各社から原料のさらなる高騰を受けて約40〜80%の値上げ要求があった。期中改定ではりん酸と加里のみの値上げだったが、今回は向こう1年分のすべての原料、製造諸経費を対象とする交渉だったことが、今回交渉の特徴だったという。
低コスト品目で推進してきたアラジンは、りん酸・加里の高騰とともに、主原料である硫酸の高騰・品不足や製造コストの大幅上昇により、従来の国産との価格差が大幅に縮小された。
4月からの期中改定による値上げは、「肥料協同購入積立金」を取り崩したので農家段階での負担はなかった。そのため、農家にとっては今回の値上げ幅は19肥年度当初との比較となり、アラジンは倍以上の値上げとなる。
今後の対応について全農としては、▽海外原料については20肥料年度年間必要量の約8割を確保したことと、7月から新たな肥料専用船を就航させる。▽土壌分析に基づいた施肥などによるJAと連携した施肥コスト抑制対策に取り組んでいくことにしている。