消費・賞味期限や原産地表示の偽装などの不祥事が相次いで発生したことを受けて、農水省が食品企業や団体に対し関係法令の遵守や倫理の保持について支援、指導を強化するため、昨年10月末に岩永副大臣を本部長に省内関係部局で構成する「食品の信頼確保・向上対策推進本部」を設置したが、その第4回会合が6月30日に開催された。
この会議では、食品業界が関係法令の遵守および社会倫理に適合した行動への取り組みをいっそう促進するための「道しるべ」として利用できるよう、3月に策定された「『食品業界の信頼性向上自主行動計画』策定の手引き〜5つの基本原則」に即した「自主行動計画」の5月末現在の取り組み状況が報告された。
それによると186団体中、▽すでに策定済み68団体(37%)▽主な役員との調製もすでに終了し、理事会・総会で議決の見込み23団体(12%)と策定済みまたは確定の団体が91団体で全体のほぼ5割となっている。
そのほか▽今年度の理事会・総会で農水省の要請を説明しようと考えている31団体(17%)▽現時点で検討中であり、今年度内に理事会・総会で議決したい61団体(33%)となっている。
食品業界向けの5つの基本原則とは
1)消費者基点の明確化
2)コンプライアンス意識の確立
3)適切な衛生管理・品質管理の基本
4)適切な衛生管理・品質管理のための体制整備
5)情報の収集・伝達・開示等の取組み
この「自主行動計画」の策定については「21世紀新農政2008」で180団体以上で策定することを政策目標として明記している。
農水省では、11月までに全国26会場で「食品業界の信頼性向上セミナー(基礎編)」を開催。12月以降に同「セミナー(実践編)」を全国で20回程度開催し、食品業界関連団体や食品企業における信頼性向上の重要性について理解をさらに深めていくことにしている。