(独)農畜産業振興機構は6月30日、20年度初の野菜需給協議会(座長:中村靖彦東京農大客員教授)を開き、20年産夏秋野菜の生産・出荷状況、見通しなどの情報交換を行った。
平成19年2月に実施されたダイコン、ハクサイの廃棄が消費者から「もったいない」と批判され、農水省は19年5月に生産者、消費者、流通業者、学識経験者などで構成する野菜需給調整協議会を設置し、需給状況の周知や価格低落時の消費拡大を行って野菜の需給安定をめざす取り組みを始めた。
事務局は農水省が担当していたが、今年度からは農畜産業振興機構に引き継がれた。また、協議会の名称にあった調整の字句は需給コントロールのイメージが強いとして、同日の規約改正で「野菜需給協議会」とした。協議会のなかには産地、市場、学識経験者など専門家による需給・価格情報委員会を設けることも同日決まった。
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JA全農の全国的な夏秋野菜の作付、出荷計画の見通しでは、概ね平年並みが予想されている。ただ、野菜は天候の影響を極めて受けやすいので、今後の天候次第で状況は変化する。消費拡大は各産地の独自の実施に加え、全農は「もっと野菜を」をキャッチフレーズに、8月31日を野菜の日とするなどして8〜9月に各種イベントを展開する。
ホクレンの夏ダイコンの作付見込は1620ha(前年比103%)。道外出荷は6月下旬から始まった。出荷のピークは前年同様8月下旬から9月の見込み。出荷量は前年比で7月104%、8月111%、9月98%、10月100%。
たまねぎの作付面積は1万2246ha(前年比101%)、作付時期は平年より1週間から10日早い。生育は平年並み。平年並みの8月上旬からの出荷開始を見込んでいる。出荷のピークは9月〜10月。秋にんじんの作付面積は4746ha(前年比99.3%)。大半の産地が7月下旬頃から出荷を開始する見込み。
JA全農群馬の報告では、夏秋キャベツの作付面積は2760haで平年並み。6月9日から出荷が始まったが、7月25日頃には日量20万ケースを超える見込み。7〜8月は前年比98%、9月は同95%、10月は同101%の予想。
JA全農長野の報告では、レタスの作付面積は前年並みからやや増。7〜9月は高冷地の出荷がピークになる。7月から10月まで各月平年並みの出荷量を予想。ハクサイの作付面積は1800haで前年並み。作柄が平年並みの場合は7〜8月はやや減、9月はやや増、10月は平年並みで、7月〜9月上旬までは日量5万〜8万ケース(1ケース=15kg)、9月上旬〜10月は同10万ケースを見込む。