全国のJAから渉外担当の精鋭が集まり、意見交換などをして各JAの連携を強化しようと、農林中金は7月17日に「元気ネット2008」(JA渉外担当者交流会)を東京ベイホテル東急で開いた。
今年で17回目を迎えたが、主催者あいさつで鳥井一美常務が話したように「JAバンクの推進体制のさらなる発展を目指して、今年から渉外担当者のみでなく年金専任担当者も呼んだ」ため、昨年よりも30人ほど多い137人の渉外・年金担当者が集まった。「年金は年々組合員の相談ニーズが高まっている」という。また重点的に取り組む施策として「家計のメイン口座の獲得と拡充、JAバンクローンの伸張」の2点をあげ、「3ヵ年中期計画の2年目として、まずは計画の達成が大事だ」と、JAバンクのさらなる発展のため頑張ってほしいと激励した。
講話を述べた柴嵜幸男JAバンク事業商品部長も中期計画に触れて、「多くの人に選ばれるすぐれた金融機関を目指すための計画だ」とその目標を語った。さらに「JAグループは農業振興、地域振興が目的だが、そのためには自分たちで稼がないといけない。JAバンクがしっかりと稼いで、それをJAグループの活動に役立てるようにしたい」と、JAバンクの役割についても述べた。
◆渉外と年金からそれぞれ1人ずつが体験発表
今年も例年通り、2人の担当者が体験発表を行った。
JAあいち三河の金融渉外ブロック長である市川善久さんはポスティングによる新規取引獲得の取組みなどを紹介。JA粕屋の金融共済課年金兼金融専任渉外係の今林香さんは年金取引の心がけについて、それぞれ語った。
「ちらしと一緒に自己紹介書も配っている」 (市川善久さん)
市川善久さん (JAあいち三河 豊坂支店) ポスティングによる新規 取引獲得の取組みを紹介 |
現在は豊坂支店に所属していて、ここが3支店目。それぞれの支店で地域特性がまったく違う。例えば市街化地域ではJAの組合員はさほど多くはないが、新規取引の獲得は比較的取り易い。逆に山間地ではほとんどの方が組合員ですでに加入しているため、新規獲得というのは難しい。その他、核家族と2〜3世帯家族とでは取引のやり方が違うし、市場のバランスが違えば過去の経験は通じない。
それでも多くの顧客のニーズを掴んでいれば、新規の獲得はできる。常に多くのニーズを的確に把握することが重要だと思う。
また新しく取引先を開拓する時には、地道なポスティング作業が重要。その時にキャンペーンちらしやパンフレットと同時に、自分で作った自己紹介書も一緒に入れるようにしている。何回も何回もちらしやパンフレットと一緒に自己紹介書を入れていって、5回目ぐらいに初めてあいさつに行く。そうすると「ああ、あなたが毎回ちらしを入れてくれる人ね」と顔を覚えてくれ、スムーズに話を進めることができる。今後も地道に努力していきたい。
「取引獲得にコツなんてない。信頼とタイミングが重要」(今林香さん)
今林香さん (JA粕屋 宇美支所) 年金取引に重要な 4つの 心がけを述べた |
年金取引の獲得にコツなんてありません。だけど私は常に4つのことを心がけるようにしています。
1つは決して忘れ物をしないこと。どんなニーズにも対応できるように、たくさんのパンフレットなどを抱えて訪問している。だから私のバッグはいつも重い。
2つめはハート。いつでもお客さんのニッコリとする笑顔を見たいと思って訪問している。手作りのバースデイカードを送ったりもしているが、それを居間に飾ってくれたりしているのを見た時は、送った私の方が嬉しくなってしまう。
3つめは知識と記憶力。年金は複雑で難しいけど、自分で表を作ったりパンフレットを作ったりして説明して、お客さんに理解してもらえるようにしている。
4つめはもちろん、支所のチームワーク。みんなの連絡がしっかりしているから、私がいない時にお客さんから連絡がきてもすぐに対応できる。素早く対応できるので取引先の方も驚いて喜んでくれる。
宇美支所は多くの金融機関があって競争が激しい地域だが、4つの心がけを常に忘れずに活動し、新規獲得を増やしていきたい。