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ダニ...実はハチの用心棒!

−森林総研が共生事例を発見

営巣中のアトボシキタドロバチ=(独)森林総合研究所 (独)森林総合研究所はハチの体液を吸う寄生ダニが、実はハチの用心棒になっている例を世界で初めて発見したと7月15日発表した。森林の生物多様性を活用する上で、こうした相互関係の解明は大変重要だ。今後も同様の事例発見が期待される。 体長約1cmのアトボシキタドロバチは体の表面の穴にキタドロバチヤドリコナダニを寄生させているが、その理由は謎だった。 研究によると、ドロバチは枯れ枝の髄(ずい)を掘って巣をつくり、卵をうむが、ダニはその時、母バチの体の穴からはい出して巣に入り込み、ふ化した幼虫の体液を吸う。しかし幼虫にダメージは与えない。 実はダニ...

営巣中のアトボシキタドロバチ=(独)森林総合研究所
営巣中のアトボシキタドロバチ=(独)森林総合研究所

(独)森林総合研究所はハチの体液を吸う寄生ダニが、実はハチの用心棒になっている例を世界で初めて発見したと7月15日発表した。森林の生物多様性を活用する上で、こうした相互関係の解明は大変重要だ。今後も同様の事例発見が期待される。
体長約1cmのアトボシキタドロバチは体の表面の穴にキタドロバチヤドリコナダニを寄生させているが、その理由は謎だった。
研究によると、ドロバチは枯れ枝の髄(ずい)を掘って巣をつくり、卵をうむが、ダニはその時、母バチの体の穴からはい出して巣に入り込み、ふ化した幼虫の体液を吸う。しかし幼虫にダメージは与えない。
実はダニよりも恐ろしいのが昆虫やクモに寄生するクロヒラタコバチという小さなハチで、こっそり巣に侵入し、幼虫の上に卵を産み付けて殺してしまう。
この時、ダニは寄生バチに挑み、複数でしがみついて、やがてハチを殺す。
つまりダニはドロハチの子どもを天敵から守る用心棒で、またドロハチの体の不思議な構造は用心棒を巣に運ぶためのものということが明らかになった。

(2008.07.22)