ジュネーブで開かれているWTO閣僚会合は午前中に加盟国すべてが参加できる貿易委員会を開催し、午後に30か国程度の主要国会合(グリーンルーム)を開く日程で進められ、22日のグリーンルーム会合では農業、非農産品(NAMA)ともに数字を含めて議論が行われたものの「なかなか収斂には向かわなかった」(外務省)という。
そのためさらに小さなグループでの少数国会合と議論が行われている。ラミー事務局は交渉の現状について「前進しつつも非常にゆっくりとした前進しかないので、成果を得るためには少数国で問題を整理する新しい進め方を考えなくてはならない」と少数国会合を呼びかけたという。
当初は25日にも農業とNAMAに関する新たなテキストが提示されるともいわれていたが、少数国会合が行われることになったため、農業・NAMAの議論が続くことから、少なくとも日程は1日ずれ込み、25日にサービス分野等の議論が行われることになった。
これまでのグリーンルーム会合では「重要品目」の数についての議論はされていないといい、少数国会合で議論される見込みだという。また、グリーンルーム会合ではブラジルのアモリン外相が上限関税の話を切り出し「強い姿勢で出ている」(農水省)。
ただ、23日の若林農相、甘利経産相とブラジル・アモリン外相との会談では、アモリン外相から上限関税についての具体的な言及はなく、「それぞれがセンシティブな問題を持ちながら、WTOが成功するためには(センシティブな問題を)理解し合わないと合意に至らないだろう」と両大臣に話したという。
また、両大臣は23日にはインドネシアのマリ商業相とも会談。とくにアジアの国として米のセンシティビティを説明し、理解を求め、G8サミットにおける食料安全保障の話を紹介し輸出規制提案について意見交換した。