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重要品目数の確保、「代償措置なしでいくわけにはいかない」

−白須次官

 農林水産省の白須事務次官は7月28日の会見でWTO交渉について、ラミー事務局長の調停案改訂版が同日中にも提示される見込みになったことをふまえて「いよいよ最終局面を迎えるのではないかと考えている。重要品目数の確保をはじめとして、引き続きバランスのとれたモダリティをめざして最後の努力を傾注している。現在、ぎりぎりの交渉をしている段階」と述べた。  重要品目の数については現在提示されているラミー案が基本を4%としているが「2%上積みは可能」とした。しかし、「6%では不十分と考えている。その場合(重要品目が6%に限定された場合)、一部が大幅な関税削減となり、国内農業に相当大きな影響が想...

 農林水産省の白須事務次官は7月28日の会見でWTO交渉について、ラミー事務局長の調停案改訂版が同日中にも提示される見込みになったことをふまえて「いよいよ最終局面を迎えるのではないかと考えている。重要品目数の確保をはじめとして、引き続きバランスのとれたモダリティをめざして最後の努力を傾注している。現在、ぎりぎりの交渉をしている段階」と述べた。
 重要品目の数については現在提示されているラミー案が基本を4%としているが「2%上積みは可能」とした。しかし、「6%では不十分と考えている。その場合(重要品目が6%に限定された場合)、一部が大幅な関税削減となり、国内農業に相当大きな影響が想定されることから、影響が小さくなるよう現在可能な限り努力している」と強調した。
 ただし、8%確保に向けた交渉では、上乗せのために代償措置が求められることについて「もともと(ファルコナー議長の)テキストの考え。現在、代償措置なしでいくわけにはまいらない」と交渉の現状認識を話した。重要品目数の「8%確保」はめざすがその場合、代償措置を払うことはやむなしとの考えを示したものだ。
 今回の閣僚会合にあたって政府は重要品目数の十分な確保を最優先事項とし総タリフライン数の10〜15%確保をG10とともに主張する方針だったが、ジュネーブでの閣僚会合前に若林農相は8%確保を表明。しかし、交渉では4%が基本で追加を含めて6%と日本の主張が反映されない調停案が出されている。こうした交渉経過の評価を問われた次官は「現在、ぎりぎりの交渉をやっている最中。コメントは控えたい」と述べた。

(2008.07.28)