農政・農協ニュース

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細かい土が被災域を広げる

−森林総研が土石流実験

集中豪雨や地震による地すべりや山崩れで土砂が長距離を流れ下るという災害が増え、そのメカニズム解明が重要になっている。その中で(独)森林総合研究所は軽石のような粒子の粗い石に火山灰のような細かい土が混じると土石流の距離が長くなって被災区域が拡大するという実験結果を7月22日明らかにした。 火山地帯での効果的な防災施設の設計や配置など今後の治山計画に広く活用できる成果だという。 実験は長さ13m、高さ1m、幅0.6m、傾き30度の大きな模型水路で実施。 その結果、体積と水分量と材料(軽石)が同じでも細かい土が混ざるか混ざらないかによって流れ落ちかたが異なるとわかった。 従来は地すべりや斜面崩壊の到...

集中豪雨や地震による地すべりや山崩れで土砂が長距離を流れ下るという災害が増え、そのメカニズム解明が重要になっている。その中で(独)森林総合研究所は軽石のような粒子の粗い石に火山灰のような細かい土が混じると土石流の距離が長くなって被災区域が拡大するという実験結果を7月22日明らかにした。
火山地帯での効果的な防災施設の設計や配置など今後の治山計画に広く活用できる成果だという。
実験は長さ13m、高さ1m、幅0.6m、傾き30度の大きな模型水路で実施。
その結果、体積と水分量と材料(軽石)が同じでも細かい土が混ざるか混ざらないかによって流れ落ちかたが異なるとわかった。
従来は地すべりや斜面崩壊の到達距離は“運動する土砂の体積が大きくなればなるほど長くなる”“土砂内部の水分が増加するほど長くなる”という知見は得られていた。
それが今回は土石が混合されると、その内部で一時的に水圧が過剰に上昇し、狭窄部でもスムーズに通過できるほど液体に近い状態に変化することが明らかになった。
そうした状況が地すべりなどの現場で発生すると、その多くが土石流となって遠くまで流れ下って被災域の拡大に直結することがわかった。

(2008.07.28)