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米の需要見通し831万t 生産調整再考の意見も

−農水省食糧部会 (7/30)

農水省は7月30日、同日の食料・農業・農村政策審議会食糧部会の審議を経て「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」を決めた。 平成19/20年度(19年7月〜20年6月)の需要実績は約853万t。昨年11月時点の需要見通しを約20万t上回る実績となり、前年比でも約15万tの需要増となった。これを受けて20/21年度の需要見通しも、昨年11月の819万tから12万t上方修正して831万tとした。 20年6月末の在庫量は民間と政府保有合わせて262万t。20年産の生産量は815万tと予想されているので、20/21年の供給量は合計1077万tとなる。21年6月末の在庫量予測は1077万tから需要見...

農水省は7月30日、同日の食料・農業・農村政策審議会食糧部会の審議を経て「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」を決めた。
平成19/20年度(19年7月〜20年6月)の需要実績は約853万t。昨年11月時点の需要見通しを約20万t上回る実績となり、前年比でも約15万tの需要増となった。これを受けて20/21年度の需要見通しも、昨年11月の819万tから12万t上方修正して831万tとした。
20年6月末の在庫量は民間と政府保有合わせて262万t。20年産の生産量は815万tと予想されているので、20/21年の供給量は合計1077万tとなる。21年6月末の在庫量予測は1077万tから需要見通し831万tを差し引いた246万tとなる。
総務省の家計調査でも6ヶ月連続で米の購入数量が増加しており、今年の米消費量は前年比を上回ると見られている。

◆生産調整めぐって意見続出

出席した各委員からは、生産調整についての意見が多く出された。
福代俊子委員(JA全国女性組織協議会会長)は「これ以上の生産調整は難しい。現場に行くと、米作りも今年で終わりかなという声をよく聞く」と、農家の現状を伝えた。
青山浩子委員(農業ジャーナリスト)は「減反政策自体が限界に達している。減反をしている人が不幸になっているのが現状。生産調整をやめれば確かに一時的に米価は下落するだろうが、長期的な視点に立って考えてみるべき」だと発言。
神田敏子委員(前全国消費者団体連絡会事務局長)も青山委員に賛成して、「用途別の調整などというあいまいなやり方ではなく、生産調整をやめるにしろ、やめないにしろ、早めに方向性を打ち出すべき」だと提言した。
それに対して農水省は「生産調整は減反と異なりあくまでも主食用米の調整。主食用米は調整し、それ以外の用途の米の生産を推奨していく方針を理解してほしい」と答えた。

(2008.07.31)