農水省生産局畜産部長の諮問機関として設置されている養豚問題懇談会(座長:信國卓史(社)日本草地畜産種子協会会長)は7月25日平成20年度懇談会を開き、養豚産業の安定的な発展をめざすための農水省の20年度の行動計画(工程表)を承認した。
要旨は次の通り。
1.養豚経営の安定と担い手の確保=肉豚価格差補てん緊急支援特別対策事業を拡充する。養豚経営緊急安定化特別対策事業の創設や畜産経営生産性向上支援リース事業により、担い手への経営安定・支援策をすすめる。
2.国際化に対応できる生産・流通体制の構築=異常補てんの発動基準の引き下げ、通常補てん基金の財源不足分の無利子貸し付けなど、配合飼料価格安定制度を安定的に運用する。配合飼料高騰に関する情報提供をおこない、消費者への理解醸成をすすめる。食肉処理施設の再編整備をさらにすすめる。
3.多様なニーズに対応した国産豚肉の生産供給への取り組み=地域や生産集団による銘柄化への取り組みを支援する。流通段階などでの偽装表示の防止を強化する。
4.自然循環機能の維持・増進=未利用資源の飼料化を誘導するため、認証制度をつくる。エコフィードなどの生産、利用を拡大する。
5.疾病の発生予防と衛生管理水準の向上=農場の清浄化や飼養衛生管理改善の取り組みを支援する。オーエスキー病(=妊娠豚では異常産を起こし、子豚では神経症状がみられるなどの重要疾患)の防疫対策要領にもとづき、清浄化に向けた防疫措置を講ずるための体制を構築する。
6.国産豚肉の消費拡大と食育の推進=豚のHACCP認証基準の策定・普及や、国産豚肉を使用した食肉加工品開発の取り組みを支援する。食育の推進などを通じ、生産者と消費者のパートナーシップを向上させる。