農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

「女性の経営参画促進を」

−女性協と全中がセミナー開催
(7/31〜8/1)

西塚洋子 JA女性協副会長 JA全国女性組織協議会とJA全中は7月31日と8月1日の2日間にわたり、「農山漁村ワーク・ライフ・バランス確立女性農業者セミナー〜女性農業者の経営参画で変えよう日本農業〜」を開いた。 全就農者に対する女性の割合は約54%と半数を超える一方、指導的地位にいる女性はきわめて少ない。民営企業役員の女性割合が12.2%であるのに対し、全国の農協役員の女性率は2.1%しかない。女性の農業、農協経営への参画を、よりいっそう進めるためセミナーは開かれた。 JA女性協の西塚洋子副会長は「全国的にJAへの女性の正組合員数や経営参画はすすんでいない。このセミナーが女性の経営参画促進に...

西塚洋子JA女性協副会長
西塚洋子
JA女性協副会長

JA全国女性組織協議会とJA全中は7月31日と8月1日の2日間にわたり、「農山漁村ワーク・ライフ・バランス確立女性農業者セミナー〜女性農業者の経営参画で変えよう日本農業〜」を開いた。
全就農者に対する女性の割合は約54%と半数を超える一方、指導的地位にいる女性はきわめて少ない。民営企業役員の女性割合が12.2%であるのに対し、全国の農協役員の女性率は2.1%しかない。女性の農業、農協経営への参画を、よりいっそう進めるためセミナーは開かれた。
JA女性協の西塚洋子副会長は「全国的にJAへの女性の正組合員数や経営参画はすすんでいない。このセミナーが女性の経営参画促進につながってほしい」とあいさつした。
農水省経営局の松井瑞枝氏は「政府はあらゆる分野で2020年までに指導的地位の女性割合を少なくとも30%にするという目標を立てたが、全然進んでいない」と現状を述べた。農水省では農村女性企業活性化モデル事業を募集し、農村での女性の起業に助成金を出す活動などをしている。
全国農業会議所の稲垣照哉氏は、男女共同参画の推進のために家族経営協定を結ぶべきだと指摘した。

家族経営協定を締結している農家は19年度現在で全国約3万8000戸にとどまっており、「協定を結ぶように提言しても、家族同士で文書の取り決めなんてしたくないとか、人の家族のことに口出しするなとかおっしゃられてなかなか進まない。法人化しただけで満足してしまって、協定を結ばずに法人化が有名無実化していることがほとんどだ」と、協定締結の難しさを紹介した。
そのほかJAいわて中央の熊谷富民子氏が家族経営協定を結んで農業経営をしている「しわ黒豚」農場や、福岡県稲作経営者協議会パートナーの会の舩津幸江代表が消費者とのふれあいを生かしたみそ汁キャラバン隊の活動など、全国で女性が農業経営に参画している事例報告やパネルディスカッションが行われた。

(2008.08.01)