ダイコンの卸売価格が大幅に落ち込んだためJA全農は農水省と協議し、8月1日から夏ダイコンの緊急需給調整(市場隔離)に入った。その結果、東京都中央卸売市場大田市場で4日の相場は持ち直した。
市場隔離は8月上旬、関東市場向けにホクレンが100t、JA全農あおもりが210tを実施する。出荷を停止し、有効利用を図っても価格動向が変化せず、余剰となるものは土壌に還元するという計画だ。
農水省は原油高で生産者の経営は深刻な状況にあるとし「野菜の再生産を確保するためには緊急需給調整の実施もやむを得ない」と消費者に訴えている。
食料品は値上がりしているが、野菜は消費不振で安値となっている。要因は猛暑続きによる消費の鈍さや、全般的な消費者心理の冷え込みにあるとされる。
ダイコンについては生育の遅れが回復した北海道・東北産などの入荷が7月中旬以降に集中して大幅に値下がりした。
同省は野菜の消費拡大のため涼しい夏の野菜料理を提案するなどのキャンペーンを実施したり、(独)農畜産業振興機構と協力して野菜の需給情報を知らせる野菜需給協議会の開催に取り組むなどしている。