国産ナタネの販売価格は1俵(60kg)が約1万2000円。うち6667円が助成金でこれを除いた農家手取りは5333円。ところがナタネ1俵を作る費用は7804円だ。 助成金が廃止されれば農家にとって1俵ごとに2471円の“持ち出し”となる。25haのナタネ畑を耕す農家なら1年で400万円もの減収になるという。
団体署名は全国の消費者と生産者の団体から集め、首相あてが650団体、農水相あてが648団体。
◆国産の生産拡大は重要課題
交付金継続の要望書はナタネについて次のような状況を挙げている。
07年の世界のナタネ生産量は約4800万tだが、他国に供給できる国はカナダとオーストラリアに限られ、836万tに過ぎない。うち日本が輸入したナタネ原料は世界一の213万tで、これを使用した日本国内のナタネ油の生産量は94万t、さらに1.7万tもの食料油を輸入している。
一方、同年の国産ナタネ生産量は629tであり、これを使ったナタネ油の生産量は234t(財務省統計)だ。輸入量との合計は96万tの消費量となり、日本人が使用する食用油の56%がナタネ油だ。
このようにナタネ油は基礎的な食用油として欠かせないが、オーストラリアの旱魃による生産の不安定や新興国の需要拡大が見込まれる中でナタネの中長期の安定確保は重要な課題となっている。
国産ナタネは油脂含量が40〜43%(大豆は15〜17%)と多いため化学溶剤を使用しなくても精製できる国内唯一の油糧作物でカネミ油症事件のような薬剤汚染の危険性がないことから食の安全性を確保できる。
また世界のナタネ主要生産国で遺伝子組み換え栽培が進む中で、それのない国産の取り組みは消費者の高い支持が期待できる。
生活クラブ国産なたね協議会はJAたきかわ、JA横浜町、JA全農や製油メーカー、生活クラブ生協などで構成。