農水省は8月5日、平成19年度の食料自給率はカロリーベースで40%になったと公表した。生産額ベースでは前年度から2ポイント下がり、66%だった。
食料自給率は昭和40年度は73だったが、50年には54に下がり、平成12年度からは40に。18年度は39に減ったが、19年度は40%を回復した。
19年度の国民1人1日あたりの供給カロリーは前年度に比べて1kcal、0.03%増えて2551kcal。このうち国産農畜産物による供給量は前年度から13kcal、1.3%増えて1016kcalだった。
自給率が上がったのは、19年産小麦が主産地の北海道や九州の豊作で過去10年で最高の91万tとなったことや、米の1人1年当たりの消費量が61.0kgから61.4kgへ0.4kg増えたのが主な要因。砂糖類(テンサイ、サトウキビ)、バレイショ、ミカンも生産量が増えた。反対に生乳乳製品は夏場の猛暑で国内生産量が0.8%減り、チーズ等の輸入が1.6%増え、マイナス要素となった。
生産額ベースでは、食料の国内仕向け額は前年度から781億円増の15兆941億円(対前年度0.5%増)、国内生産額は2601億円減の10兆38億円だった。
食料の国内生産額が減ったのは、米や野菜価格の低下、配合飼料額の増加で畜産の国内生産額が減少したことなどによる。カンショ、ミカン、リンゴは国内生産額が増えた。
福田改造内閣で若林前大臣の後任として就任した太田農水大臣は、8月4日の新旧大臣事務引き継ぎで「食料自給率50%は重い課題だが、しっかり取り組みたい」と述べている。
ただし、食料需給表ではカロリーベース自給率は小数点以下を示さないことになっており、19年度自給率40%というのはあくまでも小数点以下を四捨五入した数字。実際には39.8%と、いまだ40%には到達しておらず、18年度の39.3%から0.5ポイント上昇したにすぎない。