農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

農業景況は最低見通しDIもマイナス

−農林漁業金融公庫の19年度調査

 平成19年度実績の農業景況DIは全体でマイナス18となり前年度のマイナス5.9より低下し、8年度に調査を開始して以来最も低い値になったと農林漁業金融公庫が8月6日、農業景況調査結果を発表した。  耕種部門ではキノコが改善を続けたが、価格低迷の作物が多く、露地野菜と果樹がプラスからマイナスに転じて、景況DIは3年連続でマイナスとなった。  うち畑作を見ると小麦が過去10年間で最高の収穫量となったほか、主要作物の収量はおおむね前年並みから増加となったものの、収支・資金繰りとも後退し、景況DIは前年度に続きマイナスに推移した。  畜産部門では豚肉価格が堅調で養豚...

 平成19年度実績の農業景況DIは全体でマイナス18となり前年度のマイナス5.9より低下し、8年度に調査を開始して以来最も低い値になったと農林漁業金融公庫が8月6日、農業景況調査結果を発表した。
 耕種部門ではキノコが改善を続けたが、価格低迷の作物が多く、露地野菜と果樹がプラスからマイナスに転じて、景況DIは3年連続でマイナスとなった。
 うち畑作を見ると小麦が過去10年間で最高の収穫量となったほか、主要作物の収量はおおむね前年並みから増加となったものの、収支・資金繰りとも後退し、景況DIは前年度に続きマイナスに推移した。
 畜産部門では豚肉価格が堅調で養豚だけがプラスを維持したが、飼料高の影響が大きく、また生乳・鶏卵などで価格が低迷。景況DIはマイナスに転じた。
 うち肉用牛は近年の生産量低下傾向に歯止めがかかった。しかし輸入量は少し減ったものの、枝肉価格は乳用種・交雑種で低下。そして飼料高で収支・資金繰りDIとも低下した。
 見通しDIは果樹とキノコが明るく、養豚もプラスとなっているが、全体ではマイナス18.1で前年度の5.9に比べ低下した。
 公庫は今後の生産者の課題として、生産コスト削減を強めるとともに、高まる国産志向を追い風にコスト高を適正に価格転嫁できるかが重要とコメントしている。
 DIとは「良くなった」と回答した割合から「悪くなった」と回答した割合を差し引いた値。調査は4月に実施し、スーパーL資金融資先の約6500先から回答を得た。

(2008.08.08)