今年に入り、米国産輸入牛肉に月齢超過や他国向けの商品が混載されていたなどの事例が3件起きており、このうち1月と4月の事例について今月14日米国農務省から調査報告が提出された。厚労、農水省はこれをきっかけに対日輸出施設の輸出条件遵守状況を確認するため17日、担当者を米国に派遣した。31日まで混載事例が起きた3つの工場を含む対日輸出施設10か所で現地査察をおこなう。
1月の事例は、対日輸出された牛肉等(牛肉、舌)に、対日輸出条件(20か月齢以下)に適合しない21か月齢の牛肉が混入していたことが米国農務省の査察で分かったもの。米国側の報告によると、月齢計算用のコンピュータのうちの1台にプログラム作成時に人的エラーがあり、誤った計算をしていたためで、その後再プログラムにより改善したという。
4月の事例は、輸入した牛肉(冷凍ばら肉)に、衛生証明書に記載のない腰部の肉が含まれていたことが国内輸入業者からの報告で分かったもの。米国側の報告によると、現地工場で他国向けの腰部肉の箱詰めの際に箱が損傷し、誤って「日本向け」ラベルを貼った箱に入れたため、対日輸出された。今後、日本向けの箱の色を変え、ラベルを事前に貼らないようにするという。
3件目の事例は、国内輸入業者が食肉加工業者に販売した米国産牛肉(肩肉等)にひき肉が含まれていたことが、8月7日輸入業者からの報告で分かったもの。調査結果はまだ報告されていない。
今回の査察では、報告どおりの改善策が守られているかの確認と、8月の事例についての米側の原因究明の状況についても、情報収集をする。