農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

エネルギー政策の転換を首相に要望

共生社会システム学会
(8/22)

    洞爺湖サミット後に改めて日本の地球温暖化対策を省みると「日本のエネルギー政策は国際的に恥ずべき水準だと認識すべき」であり「早急な政策転換が求められる」として「共生社会システム学会」(会長=小原秀雄・女子栄養大学名誉教授)は8月22日、福田康夫首相あて学会の大会声明を送った。    声明は、共生型の社会へ向かうにはまず農業振興を含む〈自然エネルギー〉を基盤とした社会への移行が不可欠であるとし、すでに「ドイツでは再生可能エネルギー法によって自然エネルギーを獲得した新しい産業が軌道に乗り、大幅なCO2削減と経済成...

    洞爺湖サミット後に改めて日本の地球温暖化対策を省みると「日本のエネルギー政策は国際的に恥ずべき水準だと認識すべき」であり「早急な政策転換が求められる」として「共生社会システム学会」(会長=小原秀雄・女子栄養大学名誉教授)は8月22日、福田康夫首相あて学会の大会声明を送った。
    声明は、共生型の社会へ向かうにはまず農業振興を含む〈自然エネルギー〉を基盤とした社会への移行が不可欠であるとし、すでに「ドイツでは再生可能エネルギー法によって自然エネルギーを獲得した新しい産業が軌道に乗り、大幅なCO2削減と経済成長の両立を一定の形で実現させている」とした。
    ところが日本では一部の産業界の猛反対で政策転換がまったく軌道に乗っておらず、主力の発電についてはなお化石燃料と原子力への依存が考えられ、むしろ原子力依存の論調が拡大しつつあると批判した。
    洞爺湖サミット宣言については▽盛り込まれた対策は余りにも不十分で実効性に欠ける▽先進諸国は歴史的責任を自覚し、それにふさわしい責任を明示すべきであった▽G8が求められている役割にふさわしい目標を掲げられなかったのは米国が新興国にも長期目標を課すことに固執し、日本がそれに従ったためで、議長国日本の責任は大きいーーなどとした。
    また原油高・食糧高についても「G8は肝心の投機マネーの規制・監視で実効ある対策を打ち出せなかった」と批判した。

    同学会は「持続可能性」「コミュニケーション」などの概念や「農」の摂理を踏まえ、「共生」の視点から「人と自然」「人と人」で成り立つ社会のあり方を体系的に認識し、その成果を実践に役立てることができる「共生社会システム学」の構築を目指して06年10月に設立された。
    人文社会科学系研究者だけでなく自然・環境科学系研究者・市民・NPOなどにも幅広く学会への参加を呼びかけている。
    今年の総会は洞爺湖サミットのあと開催されたため、その宣言に対する危惧の念を大会声明にまとめ、要望として首相に送った。
     問い合わせ先は東京都府中市幸町3、東京農工大学農学部 TEL042(367)5864。

 

(2008.08.26)