農水省は8月27日、21年度予算の概算要求をまとめた。総額2兆9967億円で、20年度予算よりも13.6%増。
21年度予算の柱は、国内の食料供給力強化の取り組み。▽水田等の有効活用による食料自給率向上戦略作物の増産対策▽米粉・飼料用米等の飛躍的利用拡大に向けた供給体制の整備▽耕作放棄地解消対策、などの対策を中心にして食料自給率の向上を目指す。
なかでも大きな予算額をあてているのは水田の有効活用対策だ。新規事業として526億円の水田等有効活用促進対策や230億円の耕作放棄地等再生利用緊急対策交付金、20年度予算と同額の1477億円の産地作り交付金などを含む「水田等有効活用持久力強化向上総合対策」に3025億円を計上した。
水田等有効活用促進対策は、今年度作付けしていない水田に米粉・飼料用米や大豆、麦などの食料自給率向上のための作物を作付けした場合、新規に助成金を出すもの。米粉・飼料用米なら10aあたり5万円、大豆・麦・飼料作物なら10aあたり3万5000円、水田裏作や畑不作付けへの作付けなら10aあたり1万5000円を助成する。
耕作放棄地等再生利用緊急対策交付金は、耕作放棄地再生のための整地活動などに交付金を出すもの。荒廃程度や整地活動に応じて10aあたり2万5000円〜5万円を、営農を始めるまで最大2年間交付する。
その他の予算要求としては、担い手育成や支援事業に約2440億、原油・肥料・飼料価格高騰対策に約1400億円を計上した。