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生産者と業者を結ぶ中間事業者が必要 加工・業務用野菜の安定供給にむけて

−農水省 (8/26)

 農水省は8月26日、第2回「今後の野菜政策に関する検討会」(座長:藤島廣二東農大教授)を開き、国産の加工・業務用野菜をいかに安定供給するかなどについて話し合った。  野菜の自給率は平成に入ってから落ち込み始め、10年に83%になってからは毎年80%前後で安定しているが、生産者の高齢化や担い手減少などにより作付面積、生産量ともに年々減少し、過去9年間で約14%減少した。一方野菜の輸入量は年々増加し、17年に過去最高の252万tを記録した。  野菜の輸入量増加は、加工・業務用向けのニーズに国産品が対応しきれていないこと。また加工・業務用向け野菜の生産に消極的な産地が多く、...

 農水省は8月26日、第2回「今後の野菜政策に関する検討会」(座長:藤島廣二東農大教授)を開き、国産の加工・業務用野菜をいかに安定供給するかなどについて話し合った。
 野菜の自給率は平成に入ってから落ち込み始め、10年に83%になってからは毎年80%前後で安定しているが、生産者の高齢化や担い手減少などにより作付面積、生産量ともに年々減少し、過去9年間で約14%減少した。一方野菜の輸入量は年々増加し、17年に過去最高の252万tを記録した。
 野菜の輸入量増加は、加工・業務用向けのニーズに国産品が対応しきれていないこと。また加工・業務用向け野菜の生産に消極的な産地が多く、生産者側も業者側も契約取引のリスクを不安に感じているなどの意見が出た。
 しかし農水省が8月28日に発表した、食品製造業と外食産業への「加工・業務用野菜の取り扱いに関する意識・意向調査結果」では、国産の割合を増やしたいという回答が8割を超え、業者側でも安全性や品質の面から国産品へのニーズが高まっている。
 検討会では、加工・業務用向け野菜の契約取引について、生産サイドには「業者がいつまで取引してくれるのか」「業者の代金未払いや遅延などの契約不履行がおきないか」という不安があり、業者サイドでも「契約どおりの安定供給が行われるのか」「加工・業務用ニーズに適した商品を生産してくれるのか」という不安があり、相互の信頼関係の構築とリスクの軽減措置が必要だと確認。
 対策として、自らの資金で農産物を購入し、自らがリスクを負って産地と業者のマッチングや、産地の育成、販路の開拓などを行う「中間事業者」が必要だとして、その育成と活動支援を行うような制度改革をするべきだとした。中間事業者には農協が出資する子会社なども含まれるというが、委員からは「どこまでを中間事業者とするのか、また中間事業者はどこまでを担うのか、その定義があいまいだ」という意見が出た。
 今後の野菜政策に関する検討会は月に1度開き、年度内に中間とりまとめ案を提出する予定。次回は9月25日、予定議題は「実効性のある需給調整の実施のあり方」について。

(2008.09.02)