平成14年の農薬取締法改正時に創設された「特定防除資材(特定農薬)制度」で指定すべき資材について、農業資材審議会農薬分科会および中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会による合同会合(以下、合同会合)で検討した結果、情報提供があった約740種の資材のうち、食酢、重曹および一部天敵にについては、特定防除資材として指定された。
それ以外の資材については、農薬としての安全性などに関する情報が不十分であったため指定の判断を保留(保留資材)し、安全性などの情報を収集することにし、19年12月17日から20年1月18日までパブリックコメントを募集した。パブリックコメントを募集したのは、科学的知見から安全性に問題があるとして除外された資材があるため475種の保留資材。
パブリックコメントに寄せられた意見などを踏まえて、区分整理案が9月2日に開催された第9回合同会合に提案され、了承された。
それによると、すでに農水省・環境省にデータが提出されているか、現場で使用されている資材で「指定の可否について検討」する資材(区分A)は、木酢液・竹酢液など33資材となっている。
使用に関する情報が得られない資材としてパブリックコメントによって情報を収集していた「区分B」の資材は「区分A」と「区分C」(保留資材から削除する資材)に振り分けられゼロとなった。
保留資材から削除する資材(区分C)には5つの区分があり、特定防除資材に該当しない資材(C−1、4)が合わせて62資材。ただしこれらの資材は「使用者の責任と判断で使用することは可能(効果を謳った販売は不可)」だ。
「病害虫防除への使用不可」とされるのが、農取法など法令で規制されている資材(C−3)、定義が不明確で評価・指定の対象にならない資材(C−5)、文献などで人に対して一定以上の毒性を有している資材(C−2)で合わせて198資材となっている。
合同会議では一部整理する必要があるとの意見がだされ、再整理して通知されることになったが、通知即「使用不可」では混乱を起こす可能性があるので、一定の猶予期間をもって通知することにした。
「区分A」の資材については、この日指定が検討された資材もあったが決定にはいたらず、今後の合同会合で指定の可否について検討されることになる。