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農地税制を中心に改正を要望

−JAグループ

 政府が8月末に決定した総合経済対策では、所得税・住民税の一定額を減税する「定額減税」が盛り込まれたが、実施に合わせ税制改正も検討されることになっている。このうち、21年度予算での道路特定財源の一般財源化にともない、自動車関連の税や環境税創設など、農業にも関連する要望も省庁から出されているため、JA全中は動向を注視して行く必要があるとしている。  一方、政府税調などが、相続税の課税方法について現行の「法定相続分課税方式」ではなく「遺産取得課税方式」に改めることを検討している。  現行制度では、たとえば相続人が3人の場合、相続財産を法定相続分(3分の1ずつ)で按分し税率を...

 政府が8月末に決定した総合経済対策では、所得税・住民税の一定額を減税する「定額減税」が盛り込まれたが、実施に合わせ税制改正も検討されることになっている。このうち、21年度予算での道路特定財源の一般財源化にともない、自動車関連の税や環境税創設など、農業にも関連する要望も省庁から出されているため、JA全中は動向を注視して行く必要があるとしている。
 一方、政府税調などが、相続税の課税方法について現行の「法定相続分課税方式」ではなく「遺産取得課税方式」に改めることを検討している。
 現行制度では、たとえば相続人が3人の場合、相続財産を法定相続分(3分の1ずつ)で按分し税率を適用。そのうえで総額を出す方式だ。実際の相続割合が3分の1ずつではない場合は相続税の総額を実際の相続分で按分した額が個々の相続人の税額となるが、相続税の合計額自体は変わらない。
 ところが、遺産取得課税方式とは、実際に取得した相続財産に累進課税をするもの。相続した割合が多ければそれだけ相続税は高くなり、遺産分割のやり方によって相続税の総額が異なる。総額を抑えるには財産を均等に分割したほうがいいことになり、これが農地税制にも適用されれば、均分相続が増えることになりかねず、農地の細分化を招くおそれがある。こうしたことからJAグループの税制改正要望では、遺産取得方式への変更を取りやめることを要望の柱としている。
 そのほか、農地の納税猶予制度の堅持と農地を貸した場合でも納税猶予が継続できる新たな制度の創設、農業経営基盤強化準備金制度について制度内容の拡充と適用期限延長を求めている。また、道路特定財源が一般財源化された場合でも、農業用軽油免税制度(1リットル32.1円)の措置継続も要望している。

(2008.09.09)